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"勝ち組みソフト"は特許でつくる

最終回:知的財産は企業経営の生命力

 最終回ではソフト業界で勝ち組になるためのポイントを述べる。ここでは特許に2つの意味を持たせていることを含みながら読んでいただきたい。

1)企業は単一のヒット商品やヒットソフトを持つだけでは成長できない。ブランド政策や次世代のソフトウェアの開発などの諸条件がそろってはじめて可能となる。つまりソフトについての特許権に加え、企業経営全般にかかわる競争力のある経営資源を持たなければならない。価値が高く、競争力のある知的財産、つまり知的手法や業務内容、システムを持つことで企業は強く成長するのである。

2)前述のようにソフト特許の取得は市場での競争優位性につながる。特許権は具体的なソフトについても取れるが、多くの場合、権利の対象となるのは上位レイヤーである。より高いレベルの市場の確保や多様な商品展開ができるからである。このような上位特許は売り上げや利益には貢献するのだが、企業を勝ち組に押し上げるまでの力はない。

3)特許で勝ち組ソフト企業を作れるか。私は特許というものを二つの意味に理解している。一つは特許権といわれる法律上の権利だ。二つめは特許権に匹敵する高レベルの知的財産、つまり人材やERP等のシステム、外部関係、ブランド力を含めた企業活動に関連する知的財貨である。法律上の特許と経営上の象徴的な特許を装備することによって、企業の競争力および価値が向上するのである。

4)つまり特許権や商標権、意匠権のような知的財産権だけでなく、無形の価値ある知をもった企業のみが国内外での成長、高株価の維持を実現し、企業全体の価値が上がるのである。ビジネス上の象徴的特許権としてのブランド、各種システム、CRM、あるいは企業統治や取締役のあり方、人事制度等を改善・改良するだけでなく、発明行為によって新価値を付加し、高レベルものを持つことで企業は対外的に光り輝くイケメン企業になるであろう。

知的財産の有無が強さを決める  右下図は根の少ない植林系の木と、種から発芽して成長し根が大きく張った種子系の木である。種から成長した木は根をどんどん伸ばし、場合によっては岩をも砕いて食い込む。同じ高さであっても強風に対する抵抗力は一目瞭然だ。台風で倒れた樹木の多くは植林をされたものである。これに対し種から育った木は外観は劣るが自然災害に強い抵抗力を示すものが多い。強力な根、つまり知的財産を持つ企業は経営環境の大きな変化にも生命力を示し、企業果実を収穫するのである。

5)日本の企業、とりわけソフト企業はまだ知的財産権の開発において、国際レベルで 対抗できる状況にまで至っていないと思われるが、今後、国内外の業界で勝ち組企業として残るためには、新たな知的財産開発で根を太く長くしなければならない。ソフト企業に対し新たな知財開発ということを提言したい。自社内のシステムを知的財産レベルに開発し、さらには発明行為的開発を行ってレベルを一段と向上させることで、その開発成果である内部システムを源泉として、ソフトウェア展開をすることもできるだろう。

 自社の財務や会計処理が一般的なレベルの域を脱していないソフト企業が提供する、会計に関するソフトウェアは、社内のレベルを反映したものに過ぎない。またビジネスモデルを持たないソフト企業が他社のビジネスモデルにからんでシステムを構築したとしても、その内容レベルは想像に難くないところであろう。私たちは明日に向かって単にコンピュータ上のソフトウェアばかりでなく企業経営のソフトに対してもこれらを知的財産として開発する姿勢を持ち、しかもそれが現実に法律上の権利が取れないまでも、取れるレベルの内容の開発、つまり種々の問題への発明的解決策が新しい勝ち組みソフトを作り、企業を作るのだ。

(BCN 2008年1月7日号から抜粋)

柳野隆生氏画像
柳野国際特許事務所 所長・弁理士
(株)ノスクマード・インスティチュート 代表取締役
柳野 隆生

和歌山県生まれ、関西大学法学部卒
1970年から日本におけるベンチャー研究と実務に入り、1975年ベンチャー支援用の特許事務所を開設。
1988年、ベンチャー企業、一般企業の研究開発型企業化へのコンサルティング会社、(株)ノスクマードインスティチュートを設立し、代表取締役に就任。最近では、ベンチャーの戦略提携や市場開発用オープンマーケットとベンチャー起業家や若手・二世経営者育成のための柳野塾を主宰。
日本ベンチャーの研究開発や法的問題への対応から、そのマーケッティング、戦略提携、株式の公開、ベンチャー型人材育成等、ベンチャープロデューサーとして、ユニークな活躍を行う。

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