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いま取り組むべきことの優先順位を見極める

宮川 弘之 氏

宮川 弘之
株式会社H&Iコンサルティング
代表取締役 特定社会保険労務士

証券会社勤務を経て、平成14年社会保険労務士として開業登録。日ごろは中小企業から大企業まで幅広く就業規則作成、人事制度構築(賃金制度・退職金制度・人事考課制度)、人事労務リスクマネジメント(労使トラブル対策、労働組合対策、マイナンバー導入支援等)、企業研修を主に行っている。また大学、自治体においても「ハラスメント」・「メンタルヘルス」等の研修・客員講師の実績も多数あり。

2016年1月に開始されるマイナンバー制度。準備にあてられる時間もわずかになるなか、今優先すべきことは何か?人事部のアウトソーシングとして、労働や社会保障に関する法令に基づいた書類の作成代行をはじめ、労務管理や社会保険に関するコンサルティングを行う人事関連実務のスペシャリストである特定社会保険労務士の宮川 弘之氏(株式会社H&Iコンサルティング代表取締役)にお話を伺いました。

慌ててマイナンバーの収集を始めるとリスクが高い場合があるので注意が必要です

マイナンバー制度の開始を目前に控え、今優先すべきことは何でしょう?

2016年1月より開始されるマイナンバー制度への対応のため、企業・団体で関連業務を担当されている皆さまは、現在準備に追われていることと思います。従業員の中にも、すでにマイナンバーの「通知カード」を受け取られたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実際に通知カードを受け取られたという方が増えるにつれて、ご担当者の中には焦りを感じてしまう方もいらっしゃるでしょうが、マイナンバーの通知は10月中旬から11月末日までの計画で進められています。さらに、通知カードは簡易書留で郵送されるため配達時に不在などで受け取れなかったり、住民票記載住所と現住所が異なると通知が遅れてしまったりすることもあるので、急いで従業者のマイナンバーを収集しようとしても、現時点では全従業者の番号を漏れなく収集することは難しいのです。
※従業者:俸給や給料、賃金などの給与の支払いを受けるすべての人。役員や社員、パートタイマーなどを含む。

また、来年1月にマイナンバー制度が開始されたとしても、大多数の方にとって最初にマイナンバーが必要になる手続きは、来年の年末調整(平成28年末)ですので、今慌てて従業者のマイナンバーを収集する必要はありません。

むしろ、マイナンバーの取り扱いに関する「基本方針」や「取扱規程」などの準備が十分でないままマイナンバーを収集してしまう方が、よほどリスクが高いと言えます。まず、優先すべきなのはマイナンバーの収集ではなく、「管理体制の整備がきちんと行われているか」の点検だと言えます。

もちろん、来年1月以降はマイナンバーが必要になる手続きもあるので、全従業者を対象とした収集・管理体制を整えることと、必要に応じて個別に取得する場合を分けて考えてもいいでしょう。

来年1月以降の人事に関する業務で、マイナンバーが必要になる手続きは図1に挙げたとおりです。例えば、本年の年末から来年の年始にかけて退職される方がいる場合や、短期アルバイトを雇用する場合、講演の謝礼などで個人への支払いが発生するという場合は、個別にマイナンバーを取得しなければならないケースに該当します。

図11月1日以降にマイナンバーが必要になる手続き

1月1日以降にマイナンバーが必要になる手続きの図

管理体制の点検として、どういった点を確認すればよいでしょうか?

個別にマイナンバーを取得する場合も、全従業者を対象に収集する場合も、基本的な考え方に違いはありません。これまでも従業員の給与や雇用保険などに関する情報を、適当に扱うことはなかったと思いますので、原則的にはこれまでどおりだと考えてください。特定個人情報保護委員会から『特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)』(以下、『取扱いガイドライン』)が公開されていますが、ただちにこのすべてを満たさなければいけないと考えるよりも、『取扱いガイドライン』の中から自組織に必要な対策の優先順位を見極めて工程を決めて進めることが大事です。

まずは、①マイナンバーが必要なのはどの事務を行うときなのかを確認して(個人番号を取り扱う事務の範囲の明確化)、②その事務でマイナンバーと関連付けて管理される情報は何かを確認します(特定個人情報等の範囲の明確化)。そして、現在の業務フローの中では「誰が」「いつ」その事務を行っているかを確認して、③マイナンバーを取り扱う担当者をできるだけ絞り込み、決めておくこと(事務取扱担当者の明確化)が重要です。

例えば、来年1月以降に退職する従業員の雇用保険被保険者喪失届を作成するなら、個別にマイナンバーを取得することになります。このとき、誰が窓口になってマイナンバーを預かるのか、それをシステムなどに入力するのは誰か、といったことを決めておく必要があります。組織の規模などよって適切な人数は異なると思いますが、可能な限り少人数にしておく方がリスクを抑えられます。もし、1人の事務取扱担当者で完結できるなら、それが最少人数だと言えるでしょう。

そして、こうした業務を行った際には記録を残します。どのように記録を残せばよいかは、『取扱いガイドライン』に図2のように示されています。具体的には、給与システムなどを使って事務を行っているなら源泉徴収票が作成できる事務取扱担当者のユーザーアカウントを限定しておき、そのユーザーのシステムへのログイン履歴や入出力などの操作のシステムログを残しておくこと。もし、こうした事務を手作業で行っているなら、いつ、誰が、どの事務作業にマイナンバーを使用したのかを記録しておくといったことが必要になります。

図2『特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)より
  「取扱規程等に基づく運用」

「取扱規程等に基づく運用」の図
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