長時間残業やサービス残業対策に活用システムによる申請・承認でルールを徹底
約70%の残業時間の削減効果に
「SKYSEA Client View」をIT資産管理の業務効率化に活用されている、株式会社フラット・エージェンシー 取締役 中川 桂一様、経営企画課 課長 上田 和代様にお話を伺いました。
「地域に貢献、地域に必要とされる企業」という理念を掲げ、昭和49年8月、京都に創業。地域に根付いて48年。「まちづくり・コミュニティ・サービス」をキーワードとした創造的な住空間を演出し、安心・安全、豊かで楽しい暮らしを提供することを使命として取り組んでいます。単なる不動産会社ではなく、京町家の保存・再生、リノベーション、地域活性に向けての取り組みなど、まちづくりに貢献できる企業を目指しています。
- 京都府京都市
- https://flat-a.co.jp/
「不要な残業はしない」という従業員への意識づけに残業申請のない端末は定時後にネットワークから自動遮断
どのような経緯で「SKYSEA Client View」を導入いただいたのでしょうか。
不動産業ではお客様の個人情報を数多く扱うため、当社も日頃から情報の取り扱いに細心の注意を払っています。2015年の個人情報保護法改正時には、ウイルス対策ソフトウェアの個人情報保護オプションを追加契約したり、ログ収集ツールを導入するなどシステム的に対策を強化することに加え、個人情報の重要性を従業員にわかりやすく伝えるために動画を用いた研修を行うなど、人的な面からもセキュリティ対策強化に努めてきました。
「SKYSEA Client View」を導入するまで、当社ではIT資産を手入力による台帳で管理していました。しかし、近年は物件のご案内等にもPCを使用しているため、管理しているPC台数が急増したこともあり、適切な管理にはIT資産管理ツールが必要だと考えるようになります。複数の製品を比較した結果「SKYSEA Client View」を導入したのは、実際にデモ機を使用してみて感覚的に操作できると感じたからです。さらに、2020年4月から、大企業以外にも時間外労働の上限規制が適用されることが決定していたため、当社でも残業時間の抑制への取り組みが急務でした。そのため、残業時間の管理にPCの電源ON / OFFログを活用してサービス残業対策に取り組めることも導入の後押しになりました。
「SKYSEA Client View」の導入前後で、
残業管理の方法や残業時間にどのような変化がありましたか。
残業管理の
以前は、紙ベースの申請書を各部署の上長に提出するというフローで管理していたため、万が一サービス残業や申請漏れが発生していても証拠となるものがありませんでした。また、入退去の処理が集中する年度末などは全社的に残業が増えるため、自分の作業が終わっても周囲に遠慮して残業時間に業務を続けてしまう従業員がいることも課題でした。そこで、残業の申請・承認フローや、残業時間の確認も「SKYSEA Client View」で一括して管理することに。まず、「残業時間お知らせメッセージ」機能で従業員のPCに申請画面が表示される時刻を設定。残業が必要な従業員は、指定した時刻に表示される申請画面から事前申請を行い、所属部署の上長が承認しますが、申請が行われない場合は指定した時刻になるとネットワークから遮断される運用にしています。これにより、会社から従業員に対して「不要な残業はしないでほしい」というメッセージが明確に伝わり、「SKYSEA Client View」導入前と比較すると、会社全体で残業時間が70%近くも削減されました。
残業に関わる機能は、私たち情報システムに携わる者だけでなく、全従業員が使用します。そのため、申請や承認の方法については、導入当初にマニュアルの回覧や講習を行っていますが、誰にとってもわかりやすいUIなので、質問が来ることはほとんどありません。
収集している多様な情報を有効活用することで効率化されるトラブル対応
全社的にテレワークを取り入れられているそうですが、
窓口業務はお客様が店舗に来店されるため、出社して対応する必要があり、テレワークの実施が難しい印象があります。
窓口業務は
確かに来店されるお客様には対面で応対しますが、当社ではコロナ禍をきっかけに、全社的にテレワークを取り入れています。“窓口業務があるからテレワークはできない”ではなく、どうしたらテレワークができるのかを考えました。まず、テレワークが可能な業務を洗い出し、窓口業務とそれ以外の業務を数日ごとにローテーションすれば、出社とテレワークをミックスしたハイブリッド勤務が可能であることを確認。私ども情報システム担当者は、VPN接続で社外から安全に社内ネットワークに接続できる環境を整備して、希望者がテレワークできる環境を整えました。基本的には業務で使用しているノートPCを持ち帰ってテレワークを行いますが、デスクトップPCを使用している一部の従業員には、持ち帰り用のノートPCを用意しています。テレワーク環境を狙ったサイバー攻撃が多発していたこともあり、テレワークでも当社のセキュリティポリシーが適用されたPCで業務を行えることが安心につながっています。
情報システムを担う私どももテレワークで業務を行っていますが、その際に役立っているのが「SKYSEA Client View」の「リモート操作」機能です。テレワーク中にトラブルが発生しても、社内と同様に従業員をサポートできます。「SKYSEA Client View」導入当初は、「今からリモート操作で対応する」と伝えても「マウスが勝手に動いている」と、離れた場所から自分のPCを操作されることに不安を覚える従業員もいました。現在は、従業員もリモート操作をよくわかっているので、問い合わせの際に「リモート操作で確認してほしい」と言ってくるほど、当社のサポート業務に欠かせないものになりました。
「SKYSEA Client View」の導入が、
業務の効率化につながった事例があればお聞かせください。
業務の
「SKYSEA Client View」を導入するまで、IT資産管理台帳の更新は手入力で対応していたので、ソフトウェアをアップデートしても管理台帳への反映がどうしても後回しになってしまい、正確な現状把握が難しい状況でした。現在は、指定した時間に情報が毎日更新されるようになり、アップデート作業が必要なPCの把握などに活用しています。
自動で収集できる情報が多いことは、さまざまな場面で役立ちます。以前、Windowsのセキュリティ更新プログラムが一斉に自動適用された際、数台がブルースクリーンの状態で固まってしまったことがあったのですが、その際、一斉更新を途中でストップして、まずはトラブル対応を優先することにしました。トラブル解決後、適用が終わっていないPCに対して1台ずつ更新を行うことにしたのですが、すでに適用済みのPCに作業する手間を省くため、作業を始める前に「SKYSEA Client View」でビルド番号を確認して適用状況を把握。その結果、無駄な作業を発生させることなく、未適用のPCにのみセキュリティ更新プログラムを適用できました。
また、ファイルのコピーは、通常の業務で一度に何度も繰り返す操作ではありません。実行された場合には、セキュリティ上の問題が懸念されるため、「想定外共有フォルダアクセス」アラートでしきい値を設定し注意を促しています。共有フォルダの場所を移動する際など、安全を考慮してファイルをコピーすることもありますが、この場合は意識して行った操作なので、しきい値を超えても問題はありません。セキュリティ上危険なのは、意識しないコピーによってファイルがあちこちに置かれてしまうことです。当社では、上限を超えると従業員のPCにアラートが表示されますので、何か注意しなければいけない操作を行ったことが従業員に伝わり、セキュリティポリシーの徹底につながると考えています。
セキュリティ対策は費用対効果が見えづらく、
対策強化のための新たなツールの導入が難しいと感じている担当者が多いように感じています。
対策強化の
経営層は利益を上げることを考えていますから、当社でもツールを導入する際には費用対効果を説明するようにしています。「SKYSEA Client View」の導入時にも、初期費用とランニングコスト、不要な残業時間の抑制により削減される経費等を比較して提案することで、スムーズな導入につながりました。
当社では、セキュリティ対策を経営課題として捉えています。そのため、必要な対策を素早く実行できるよう、情報システム業務に経営層が直接関わる体制をとりました。経営層の方々の中には「セキュリティ対策はウイルス対策ソフトウェアを入れておけばいいだろう」と思っている人もまだいらっしゃるのではないでしょうか。経営に関わっている同じ立場の人間から、対策の必要性を訴えられることは、いつ被害に遭うかわからない今のような状況下で円滑に対策を強化する大切なポイントの一つだと思います。
今後、「SKYSEA Client View」をどのような場面で活用していくことを考えられていますか。また、ご要望がありましたらお聞かせください。
労務管理を効率化していきたいと考えていますので、「SKYSEA Client View」のログを活用した効果に期待しています。現在は、業務アプリケーションを自社で作成できるサービスを使って開発した勤怠管理システムを使用していますが、打刻時間と「SKYSEA Client View」が収集しているPCの操作ログを目視で照らし合わせているため、総務担当者の負担が課題です。今後「SKYSEA Client View」と連携可能な勤怠管理ソリューションの中から、当社のニーズにマッチするものを検討していきます。
「SKYSEA Client View」は、毎年バージョンアップが行われ、どんどん機能が豊富になっていきますが、同時に知らない便利な機能が増えていくようにも感じています。オンラインで問い合わせができるサポート窓口があれば、直接PC画面を見ながら相談に乗ってもらえたり、当社に適した設定のアドバイスや新機能の説明も受けられると思いますので、検討をお願いします。
(「SKYSEA Client View NEWS vol.85」2022年7月掲載 / 2022年1月 オンライン取材)