情シス業務の“質”をより高めるヒントに「connpass」がサポートする
自由で幅広いスキルアップの実現
セキュリティやシステム管理に関する勉強会に参加できるプラットフォームをご存じですか?人材不足により孤立しがちなITエンジニアの“つながり”を強化し、スキルアップを支援するという意味から「connect pass=connpass」と名づけられたこのサービスでは、自身の成長だけでなくさまざまな効果が期待できるといいます。そんな「connpass」の特徴や魅力を、運営会社である株式会社ビープラウドのお二人に伺いました。
株式会社ビープラウド 氏
株式会社ビープラウド
株式会社ビープラウドは2006年に設立したシステム開発のプロフェッショナルチームです。2008年よりPythonを主言語として採用し、優秀なPythonエンジニアがより力を発揮できる環境づくりに努めてきました。Pythonに特化したオンライン学習サービス「PyQ(パイキュー)」、システム開発者向けクラウドドキュメントサービス「TRACERY(トレーサリー)」などの自社製品を通して、そのノウハウを発信しています。また、IT勉強会支援プラットフォーム「connpass(コンパス)」の開発・運営や勉強会「BPStudy」の主催など、コミュニティ活動にも積極的に取り組んでいます。
“エンジニアをつなぐ”
IT勉強会プラットフォーム「connpass」とは?
IT勉強会プラットフォーム
ITに特化した勉強会支援でスキルアップをサポート
IT人材とりわけセキュリティ人材の不足は多くの企業にとって課題となっています。また、情報システム部門の人数が極めて少ない企業も多いことから、セキュリティ分野に限らずITエンジニアの相談先・ロールモデルがなく、スキルアップやキャリアチェンジに取り組みにくいといった問題も。
そうした現状を改善する手段の一つとして支持を集めているのが、IT勉強会支援プラットフォーム「connpass(コンパス)」です。Webサービスの開発からネットワークセキュリティまで、さまざまなテーマで開催されている勉強会に自由に参加できます。さらに、勉強会の立ち上げから集客、参加者の管理まで一貫して行うことが可能です。
「connpass」では、企業が主催して参加者を100人以上集める大規模なイベントから少人数を定員としたワークショップまで開催されており、その総数は月に1,500件以上。これほど多くの企業やITエンジニアから選ばれ続けている理由は、主催者にとっても参加者にとっても便利な機能や仕組みにあります。
次ページでは、「connpass」を開発・運営する株式会社ビープラウドのお二人に、開発の経緯やこだわりについて語っていただきました。
主催者からも参加者からも
「connpass」が選ばれる理由
「connpass」が
「connpass」を提供することになった経緯をお教えください。
九津見氏
もともとは当社が主催している勉強会「BPStudy」の管理をするために開発しました。当初は内製プラットフォームとして自社内で活用することを想定していましたが、「良いものは社会に還元していきたい」という当社の理念もあり、2011年から自社サービス「connpass」として提供しています。
吉田氏
「BPStudy」は2007年から月1回のペースで累計200回近く開催している“老舗”の勉強会です。現在もITエンジニアを中心に、多くの方に参加していただいています。
ほかの勉強会支援プラットフォームやポータルサイトとの違いはありますか?
九津見氏
大きく異なるのは、IT分野に特化している点だと思います。勉強会の主催や参加申し込みができるWebサイトは多数ありますが、ITに関するテーマで、ITエンジニアを対象にした勉強会のみを扱うWebサイトは多くありません。
吉田氏
勉強会を主催するにあたって「connpass」の手数料が無料※という点も特徴ではないでしょうか。だからこそ、大規模なイベントだけでなく、少人数向けのオンライン勉強会や小規模なセミナーなどもたくさん開催されています。
九津見氏
「イベント統計」という機能で自身が開催したイベントの数値を確認できるところも特徴です。告知ページのPV数や申込数の遷移、告知メールへのリアクションなど、さまざまな要素からイベントの分析をすることができます図1。
※PayPal事前決済を利用した場合は、PayPal手数料がかかります。
図1 イベントに関する数値を可視化できる「イベント統計」画面
ITエンジニア同士のつながりを強化する
コミュニティ機能
コミュニティ機能
参加者に対してはどのようなサービスを提供されていますか?
吉田氏
ITエンジニア同士のつながりを構築するコミュニティ機能が豊富です。外部SNSと連携すれば、GitHubやFacebookなどのアカウントでフォローしているユーザーが、「connpass」上でも自動でフォローされます。フォローしている人が勉強会に申し込んだらメールで通知が来るなど、興味がある分野のイベントや勉強会を見逃しにくい仕組みになっています。
九津見氏
一部のカレンダーサービスとも連携できるため、複数のイベントや勉強会に申し込む際も効率的に管理することが可能です。
運営する上で、日頃から意識されていることはありますか?
吉田氏
誰でも気軽に立ち上げられる分、不適切なテーマや表現、形式のイベントが投稿されていないかを運営側で確認するようにしています。利用規約にそぐわないイベントは運営側で削除し、「connpass」をすべてのユーザーが快適に使えるよう気をつけています。
九津見氏
当社のメンバーが積極的にイベントを立ち上げたり、勉強会に参加したりしているのも、ユーザーにとって安心できるポイントではないかと思います。
意欲的に学んでスキルアップ
人材育成のヒントにも
人材育成の
実際にどんな勉強会やイベントが開催されていますか?
九津見氏
「connpass」がオープンした当初は、ITエンジニアの中でもコアな専門領域を持ったユーザーが多く、そのノウハウやプログラミングの手法などを発表する勉強会が多かった印象です。しかし最近ではユーザー数が増えたことでその裾野も広がり、多様なジャンルのイベントや勉強会が開かれるようになりました。初心者向けのWeb開発講座からフリーランスエンジニアに質問できる座談会まで、幅広く開催されています。
吉田氏
企業が立ち上げて1,000人近い参加者を集めるイベントもあれば、数人で集まっておのおのの作業に取り組むための枠もあり、さまざまな規模・目的のものが毎日開催されているのも特徴ですね。
ITエンジニアにとって、勉強会に参加することにはどんなメリットがありますか?
九津見氏
自身が学んでみたいと感じるテーマを手軽に、そして自由に学べることです。スキルアップを目的に研修を取り入れる手もありますが、一律で実施される研修は「受けさせられている」と感じる方もいるのではないでしょうか。「connpass」では学びたい分野の勉強会に自ら申し込むので、より意欲的に取り組めるという声もいただきます。
吉田氏
個人のスキルアップだけでなく、自社の業務を見直す機会にもなると思います。他社の事例を聞くことで、今よりも効率的な手法や体制を取り入れるきっかけにもなっているようです。
九津見氏
社内の勉強会だけでは学べる分野や知見に限界があることも考えられます。自社ではまかなえないジャンルの勉強会を「connpass」で探すなど、人材育成の面からも効果的に活用いただけるのではないでしょうか。
吉田氏
特に、新卒社員など配属されたばかりのITエンジニアはどこで何を学んだらいいか迷うことも多いと思います。そんなとき、情報収集や自己研鑽の場として使っていただくのも有効です。
興味関心を広げて
次のステップへ進むきっかけに
次の
最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いいたします。
九津見氏
IT人材が不足している影響で、業務過多や人員不足にお悩みを抱えている情報システム部門の方も少なくないと思います。自社内だけで解決できない問題がある場合は、ぜひ「connpass」の活用も視野に入れていただけたらうれしいです。
勉強会では特定の商品をしつこく営業されたり、急に指名されて発表させられたりすることはありません。オンライン形式のものも多いので、ぜひ気軽に参加してみてください。
吉田氏
私自身、当社に入社する前に「connpass」をユーザーとして利用したことがあり、そのときの経験や知見がキャリアチェンジに与えた影響は大きかったと感じています。
勉強会は「もっとこんなテーマを学んでみたい」という技術的な好奇心を満たしたり、ほかのエンジニアを見てモチベーションを高めたりできる場所です。自身のさらなる成長のきっかけとして活用していただければと思います。
(「SKYSEA Client View NEWS vol.92」 2023年10月掲載 / 2023年7月オンライン取材)