企業・団体における情報セキュリティ対策やIT資産管理、サイバー攻撃に関する情報などITに関わるさまざまな情報を随時掲載しています。

Sky株式会社

公開日2024.01.19更新日2024.04.24

IT運用管理とは? 種類や仕事内容、メリット・デメリットを解説

著者:Sky株式会社

IT運用管理とは? 種類や仕事内容、メリット・デメリットを解説

ITシステムを適切に利活用していくには、「IT運用管理」が欠かせません。一方で、IT運用管理で取り組むべきことや保守管理との違いが明確になっていないという方も多いのではないでしょうか。この記事では、IT運用管理の種類や仕事内容、IT運用管理ツールを利用するメリット・デメリットを解説するほか、IT運用管理ツールの選定で押さえるべきポイントも併せてご紹介します。

IT運用管理とは、企業のシステムを安定的に稼働させ続ける運用管理業務

IT運用管理とは、システムを24時間365日、安定稼働させる運用管理業務のことです。ITシステムの動作状況は刻々と変化しています。ハードウェアやソフトウェアの使用状況、ネットワークやデータの状態などが安定しているか、不具合やトラブルなどが生じていないかを常に監視するのがIT運用管理の目的です。ITシステムは常に問題なく動いていることが前提であり、正常な状態を維持するためにIT運用管理が必要とされています。

運用と保守の違い

ITにおける「運用」と併せて、よく用いられる言葉の一つに「保守」があります。保守とは、システムに不具合やトラブルが生じて停止した場合の対応や復旧作業のことを表す言葉です。また、トラブル発生時に適切なセキュリティ管理を行い、情報漏洩などのリスクを最小限に抑えることも保守に含まれます。

システムの状態を正常に維持する「運用」と、何らかの原因でシステムが停止したり正常に動作しなくなったりした際に対応する「保守」では、本来の意味が異なる点に注意が必要です。ただし、実務上ではIT運用管理の一環として保守が必要になることも多く、両者を兼務するケースも珍しくないのが実情です。

IT運用管理は3種類に分けられる

IT運用管理には、大きく分けて「ネットワーク管理」「システム管理」「業務運用管理」の3種類があります。それぞれの管理内容について、詳しく見ていきましょう。

ネットワーク管理

ネットワーク管理とは、ネットワークに障害が発生するのを未然に防ぐとともに、ネットワーク改善を行う際に必要な情報を収集することを指します。ネットワーク管理で取り組むべき内容は次のとおりです。

ネットワーク管理の主な内容

  • 障害対策:ネットワーク障害を検知し、復旧に向けた対応を行う
  • セキュリティ管理:機密性・完全性・可用性を保持し、セキュリティリスクを抑制する
  • 性能管理:ネットワーク障害が発生しにくい状態を保ち、効率良く活用する
  • 設備・施設管理:ネットワークに必要な配線や電源、空調などを適切な状態に保つ

システム管理

システム管理とは、システムが安定的に稼働し続けられるようハードウェアやソフトウェアの状態を監視し、必要な対応を施すことを指します。システム管理で必要とされる内容は次のとおりです。

システム管理の主な内容

  • 基本運用:サーバーやクライアント端末、周辺装置、関連文書などを管理する
  • バックアップ対応:万一の場合に備えてサーバー上のデータを複製しておく
  • IT資産管理:自社が保有するIT資産を把握し、契約状況の管理や不正利用の防止に取り組む
  • 備品・消耗品管理:システム関連の備品・消耗品の使用状況や在庫を管理する

業務運用管理

業務運用管理とは、IT運用管理の業務そのものをマネジメントすることを指します。ソフトウェアのバージョンアップやセキュリティ更新プログラムなどの配布のほか、ユーザーの登録・削除、機器・端末の登録・監視などが滞りなく行われているか、抜け漏れはないかといった点を管理します。IT運用管理を着実に行っていくためには、業務運用の適切な管理が欠かせません。

IT運用管理の主な仕事内容

ここまでIT運用管理の内容について見てきましたが、具体的にはどのような業務が行われているのでしょうか。IT運用管理の担当者が担う5つの業務について解説します。

稼働監視

稼働監視とは、システムがトラブルなく正常に動作しているかを監視する業務のことです。システムのユーザーがスムーズに操作できるよう、一連の操作をシナリオにまとめ、正常に実行されているかどうかを監視します。障害が発生している事実の有無を確認するだけでなく、障害が発生しそうな予兆を検知したり、障害が発生した際に原因を突き止めるための監視を行ったりすることも、システムの安定稼働のために重要です。

ログ監視

ログ監視とは、ネットワークに接続されている各種機器・端末において実行された挙動を記録し、監視することを指します。膨大な量に上るログの中から、エラーメッセージなど対応が必要なものがないか、抜け漏れなく監視することが重要です。

また、ログ監視はウイルス感染や不正アクセスといった攻撃を受けた際、発生源を早期に特定し、被害の拡大を抑制する役割も果たします。

パフォーマンス監視

パフォーマンス監視とは、サーバーのCPUやメモリ、ディスクの使用率のほか、ネットワークの通信量、ファイル・フォルダのサイズまたは更新状況などを監視することをいいます。CPU・メモリ・ネットワーク帯域などの使用率は処理速度や通信速度に大きな影響を与えかねないことから、ユーザーがシステムを快適に利用する上で重要な指標です。必要に応じてサーバー台数を増やすスケールアウトなどの対処をとることにより、システムのパフォーマンスを適切な状態に維持します。

また、現状のITインフラが運用上、適切な規模であるかを判断し、コストの最適化に役立てることもパフォーマンス監視の目的の一つです。

ジョブ管理

ジョブ管理とは、コンピューターが担う一連の処理が実行から終了まで正常に行われているかを監視することを指します。

例えば、コンピューター上のプログラムやバッチ処理などのジョブを制御・監視することにより、システムが正常に動作しているかを確認することがジョブ管理の主な目的です。管理する対象のジョブによっては、売上集計やデータバックアップのように、業務終了後の時間帯に実施すべきものもあります。そのため、ジョブ管理は目視や手作業で行うのではなく、IT運用管理ツールを活用して自動化するケースが少なくありません。

バックアップ管理

バックアップとは、システム障害などに伴い一時的にデータにアクセスできなくなったり、データが失われてしまったりした場合に備え、データを複製しておくことを指します。

バックアップが正常に実行されているかを監視し、バックアップされたデータを適切に保管していくにはバックアップ管理が欠かせません。ジョブ管理と同様、膨大な量のデータを定期的にバックアップする作業には多くの時間・労力を要することから、IT運用管理ツールを活用してバックアップ管理を行うのが一般的です。

IT運用管理ツールのメリット・デメリット

ここまで見てきたとおり、IT運用管理に必要とされる監視・管理内容は非常に広い範囲にわたります。限られた人材でIT運用管理を適切に行うには、IT運用管理ツールを利用するのがお勧めです。

IT運用管理ツールには、大きく分けて「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、オンプレミス型・クラウド型を運用環境に応じて選択できるツールを選ぶのがお勧めです。ここでは、オンプレミス型とクラウド型のIT運用管理ツールの具体的なメリット・デメリットについてご紹介します。

オンプレミス型のメリット・デメリット

オンプレミス型とは、社内にサーバーやシステムを構築し、自社で運用する形態を指します。自社で環境を構築するため、カスタマイズ性が高く、既存システムとの連携が容易である点がメリットです。

一方で、システム構築には多くのコストがかかるだけでなく、稼働開始まで期間を要する点がデメリットといえます。大幅なカスタマイズが必須であることが事前にわかっている場合や、連携させたい既存システムの種類によっては、オンプレミス型が適しているといえます。

クラウド型のメリット・デメリット

クラウド型とは、サービス提供事業者のサーバーにインターネット経由でアクセスして利用する形態のことです。クラウド型であれば自社でシステムを保有する必要がないことから、導入コストを抑えられる点が大きなメリットといえます。また、環境を問わず利用でき、セキュリティ環境も整った状態で運用を開始することも可能です。

ただし、サービス提供事業者が用意した機能の範囲内で運用することになるため、自社システムとの連携が難しい場合や、カスタマイズ性が低い場合もある点がデメリットといえます。

IT運用管理ツールを選ぶポイント

自社の目的や用途に合ったIT運用管理ツールを選ぶためには、どのような点に留意する必要があるのでしょうか。IT運用管理ツールを選ぶ際に押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。

組織内のすべてのIT機器を管理できるか確認する

導入するIT運用ツールを選ぶ際には、組織内で使用しているすべてのIT機器を管理できるかどうかを確認しておくことが重要です。情報セキュリティ対策を組織全体で行うためには、基本的に組織内の全端末・機器を管理下に置き、把握する必要があります。管理下にないITデバイスなどの「例外」が発生することは、セキュリティ管理上のリスク要因となりかねません。

事前に、自社で使用しているすべての端末・機器をリストアップしておくとともに、IT運用管理ツールが対応している端末やOSの種類も確認しておく必要があります。組織内のすべてのIT機器を管理することを前提に、IT運用管理ツールを選ぶのがポイントです。

契約期間や中途解約の可否を確認する

特にクラウド型サービスを導入する際には、具体的な契約期間や中途解約に関する規定を十分に確認しておくことが大切です。IT運用管理は中長期的に継続していくべき取り組みのため、契約満了時には契約を更新するケースが少なくありません。更新のタイミングや更新時の費用などを確認し、将来的な運用コストを試算しておく必要があります。

中途解約が可能な場合は、違約金や解約金などの有無も明確にしておくことが重要です。不明な点があれば、サービス提供事業者に問い合わせて解消しておく必要があります。

手軽に導入できるかどうかを確認する

自社の規模や管理すべき端末・機器の台数などに応じて柔軟な対応が可能か、手軽に導入できるかどうかを確認しておくことも、IT運用管理ツールを選ぶ重要なポイントの一つです。

自社内にIT運用管理に関する専門知識を持つ人材がいない場合や、IT運用管理に携わる人員が限られている場合などは、いかに手軽に導入・運用できるかがカギを握ります。IT運用管理ツールの導入・運用そのものがハードルとなるのを避けるためにも、導入の手軽さを選定のポイントに含めておくことが大切です。

小規模組織のIT運用管理に最適な「SKYSEA Client View M1 Cloud Edition」

Sky株式会社の「SKYSEA Client View M1 Cloud Edition」は、PC1台から始められるクラウド型のIT運用管理サービスです。物理サーバーや初期費用は不要で、インターネット環境さえあればすぐに利用できるほか、IT運用管理に必要な基本機能を厳選して搭載しているのが特長です。また、PCのエージェントプログラムなどの自動アップデートにより、日々の運用の負担を抑えることができ、リソース不足を課題とする小規模な組織や、初めてIT運用管理ツールを導入される組織に最適なサービスといえます。

導入にかかる工数や費用などの負担を抑えつつ、必要最小限のスペックからIT運用管理を始めたい事業者様、既存のIT運用管理を見直したい事業者様は、ぜひ「SKYSEA Client View M1 Cloud Edition」の導入をご検討ください。