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ITリスク対策とは? ITリスクの分類や対策プロセスを解説

著者:Sky株式会社

ITリスク対策とは? ITリスクの分類や対策プロセスを解説

現代のビジネス環境は、IT(情報技術)とは切っても切れないケースが大半を占めています。業務で日常的に使用しているアプリやシステムをはじめ、デジタル機器やネットワークが活用されているものは基本的にすべてITです。ITは業務の効率や生産性を高める一方で、さまざまなリスクを抱えています。この記事では、ITリスクに備えるための対策や、ITリスク対策を強化するために必要なプロセスをわかりやすく解説。ITリスク対策に役立つツールも併せてご紹介します。

あらゆる事業者に求められるITリスク対策

近年は企業を標的としたサイバー攻撃の被害が増えており、あらゆる事業者にとってITリスク対策への取り組みは急務となっています。事業者に求められている具体的なITリスク対策は、下記のとおりです。

基本的なセキュリティ対策の実施

ITリスク対策を徹底するには、第一に基本的なセキュリティ対策を講じる必要があります。サイバー攻撃における攻撃者の侵入経路は多種多様ですが、中でも多く見られるのがエンドポイントと呼ばれる端末(PC・スマートフォン・タブレットなど)や機器(サーバーやプリンターなど)です。従業員が業務で利用しているメールやWebサイトを経由して、マルウェアなどの脅威が組織のネットワークに侵入するケースは少なくありません。基本的なセキュリティ対策として、業務で使用する端末の取り扱いには常に注意が必要です。

基本的なセキュリティ対策の例

  • 不審なメールや添付ファイル、URLリンクは開かない
  • 発行元が確認・信頼できないソフトウェアやアプリは使用しない
  • 業務に不要なWebサイトにはアクセスしない
  • OSやソフトウェアのバージョンを常に最新の状態に保つ

専門知識を備えたIT担当者の配置

ITリスク対策を講じるには、専門知識を備えたIT担当者の配置が不可欠です。IT担当者は、単にIT機器について詳しいというだけでなく、リスク管理を適切に実践できる人材でなければなりません。一例として、サイバー攻撃の最新の手口やそれらを防ぐための対策に精通している人材が挙げられます。ほかにも、サイバー攻撃を想定してデータをバックアップしたり、システムログを解析して攻撃者の侵入経路や脅威の発生源を突き止めたりするための知識・スキルも求められます。

こうした知識・スキルを備えた人材を社内で確保できれば理想的ですが、難しい場合にはITリスク対策を外注する方法もあります。ITリスク対策を個々の従業員任せにするのではなく、IT担当者が主導権を握り、適切な対策を講じていくことが重要です。

個人情報などのデータの適切な取り扱い

個人情報などのデータの適切な取り扱いも、ITリスク対策の重要なポイントです。クラウドサービスの活用やリモートワークが浸透したことにより、組織の「内」と「外」の境界は曖昧になりつつあります。業務に必要なアプリケーションやシステムを利用するには、インターネットへの常時接続が必須となっているケースも珍しくありません。日頃から組織内外でデータをやりとりする状態は、常に情報漏洩のリスクにさらされていることを意味しています。

企業には外部に漏洩させてはならないデータが数多くあります。顧客や取引先、従業員の個人情報のほか、外部に知られてはならない機密性の高い社内情報などがその一例です。万が一、こうした情報が外部に漏洩・流出するようなことがあれば、「企業としてのITリスク対策が不十分だった」と社外からは捉えられかねません。ITリスク対策が不十分であると企業として信頼が失墜し、ブランド力の低下や顧客離れにつながる恐れもあります。

企業が備えるべき3種類のITリスク

ITリスクは大きく3種類に分類できます。企業として備えが必要なリスクは「セキュリティ上のITリスク」「自然災害によるITリスク」「ヒューマンエラーによるITリスク」です。それぞれどのようなものか、詳しく見ていきます。

セキュリティ上のITリスク

セキュリティ上のITリスクとは、セキュリティが不十分なポイント(脆弱性)を攻撃者に突かれるリスクのことを指します。主なリスクの例は、下記のとおりです。

セキュリティ上のITリスクの例

  • マルウェアなどへの感染
  • 外部からの不正アクセス
  • 外部への情報持ち出し

セキュリティ上のITリスクは、仕組みとルールの両面から対策を講じていく必要があります。セキュリティ対策ソフトウェアなどを導入することはもちろん重要ですが、ユーザーである従業員がルールを遵守して端末や機器を取り扱わなければ、どれほど仕組みを強化しても脆弱性を排除しきれません。

自然災害によるITリスク

自然災害によるITリスクとは、自然災害が原因でIT機器が故障・破損したり、システムやネットワークが使用不能な状態に陥ったりするリスクのことを指します。具体的に想定されるリスクは、下記のとおりです。

自然災害によるITリスクの例

  • 洪水による浸水、機器の水没
  • 大規模停電による機器の停止
  • 地震などによる建物と機器の破壊

自然災害はいつ発生するか予測できないため、必ず起こるものとして対策を講じる必要があります。自然災害によるITリスクへの備えに関しては、「起こらないようにする」ための対策ではなく「起こった場合のことを想定しておく」ことが重要です。

ヒューマンエラーによるITリスク

ヒューマンエラーによるITリスクとは、ユーザーである従業員が操作ミスなどをしてしまうリスクを指します。よくあるケースとして、下記のようなリスクが想定されます。

ヒューマンエラーによるITリスクの例

  • メールの誤送信で、本来送るべきではない相手に社内情報が送信される
  • BCCで送るべきメールアドレスをCCで送信し、顧客のメールアドレスが漏洩する
  • クラウドソフトウェアの公開範囲の設定ミスにより、本来公開すべきではない情報が公開される

人間の操作には、ミスが付き物です。できるだけヒューマンエラーが起こりにくい仕組みを構築すると同時に、どのようなミスがITリスクの原因となりやすいのかを周知徹底する必要があります。

ITリスク対策で求められる4つのプロセス

ITリスクを適切に管理するための取り組みを「ITリスクマネジメント」といいます。特に情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関しては、国際規格が定められているため、この規格にのっとって対策を講じることが重要です。ここでは、ITリスク対策で求められる4つのプロセスを見ていきます。

1. ITの脆弱性を特定し、リスクの特定や分析を行う

ITリスク対策を始めるには、自社が運用しているITシステムの脆弱性を特定し、リスクの特定や分析を行う必要があります。システムそのものが内包している脆弱性のほか、ユーザーである「人」がもたらすリスクに関しても把握しておくことが大切です。なお、あらゆるリスクを想定する過程では、リスクは「発生しないもの」と捉えるのではなく、「起こり得るもの」として抽出・分類していきます。その上で、各リスクが実際に脅威として表面化した際、具体的にどのような影響が及ぶのかを想定しておくことが求められます。

2. 対策優先度をつける

抽出・分類した自社のITリスクに、対策優先度をつけていきます。あらゆるITリスクを想定すれば、膨大な数の対策案が浮かび上がってくるはずです。もちろん、すべてのリスクに対処するのが理想ですが、まずはより大きなリスクから優先的に対処していきます。対策すべきリスクの優先順位をつける際には、下記のような観点で検討します。

対策を講じるべきリスクの優先順の考え方

  • リスクが現実に起こり得る確率・頻度
  • 脅威が発生した場合の深刻度
  • 脆弱性の深刻度
  • 対策のしやすさ・必要なコスト

3. ITリスクへの対策を実際に行う

対策優先度が決まったら、優先順位の高いものから実際に対策を進めていきます。リスクが現実化した場合、事業への影響が大きいリスクに関しては早急に対応していく必要があります。脅威はいつどのようなかたちで訪れるか予測できないため、「そのうちに」「今の業務が落ち着いたら」と先延ばしせず、できる限り対策を前倒しすることが重要です。

4. リスクモニタリングを定期的に実施する

リスクへの備えを講じた後も、リスクモニタリングは定期的に実施していくことが大切です。サイバー攻撃の手口は年々巧妙化の一途をたどっており、ある時期までは有効だった対策が、いつしか効果を失ってしまうことも珍しくありません。リスクモニタリングを実施する際には、下記の考えを念頭に置いて取り組みます。

リスクモニタリングに必要な観点

  • ITリスク対策の優先順位は変動することがある
  • ITリスク対策の対象が偏らないようにする
  • 必要なITリスク対策が増える場合もある

ITリスク対策は「SKYSEA Client View」にお任せください

ITリスク対策を適切に講じていくには、クライアント運用管理ソフトウェア「SKYSEA Client View」の活用をお勧めします。「SKYSEA Client View」は、ITリスク対策に必要な各種機能・ソリューションを提供するツールです。PCなどの端末やサーバーなどのハードウェア情報、ソフトウェア情報、ネットワーク機器情報などを24時間ごとに自動収集し、1つの台帳で管理できるため、社内のIT資産の活用状況を的確に把握することが可能となります。また、組織の管理下にない端末や記憶メディアがネットワークに接続されたことも感知するため、不正アクセスに対しても早期に発見可能です。

さらに、「SKYSEA Client View」と提携しているEDR製品なども活用すれば、未知のマルウェア感染に関しても「ふるまい検知」で素早く発見、隔離した上で調査できます。ITリスク対策を強化したい事業者様は、ぜひ「SKYSEA Client View」の導入をご検討ください。

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