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公開日2023.12.15更新日2024.04.24

情報セキュリティ対策とは? 重要性や立場ごとの対策法を解説

著者:Sky株式会社

情報セキュリティ対策とは? 重要性や立場ごとの対策法を解説

近年、企業が「サイバー攻撃の被害に遭った」「情報漏洩が発生した」といった報道を耳にする機会が少なくありません。企業がこうした被害を未然に防ぐためには、情報セキュリティ対策を講じておくことが重要です。一方で、具体的にどのような対策が必要になるのかわからないという方も多いのではないでしょうか。今回は、情報セキュリティ対策の重要性や、経営層・従業員・情報管理担当者のそれぞれの立場で求められる対策について解説します。

情報セキュリティとは、企業の機密情報や個人情報を外部の脅威から守ること

情報セキュリティとは、アナログの情報も含めた情報全般の「機密性」「完全性」「可用性」を確保することです。企業などの組織では、数多くの機密情報や個人情報といった重要な情報を扱っています。

これらの情報が漏洩したり失われたりする原因は、PCやサーバーなどへの不正アクセスのほか、地震や火災といった災害などもあり、さまざまです。このような脅威から重要な情報を守ることが、情報セキュリティの主な役割といえます。

情報セキュリティで重要な三大要件

情報セキュリティの三大要件である「機密性(Confidentiality)」「完全性(Integrity)」「可用性(Availability)」は、それぞれの頭文字を取って「CIA」と呼ばれます。ここでは、各要件の意味合いについてご説明していきます。

機密性(Confidentiality)

機密性とは、限られた人のみ、特定の情報にアクセスできる状態を確保することです。例えば、顧客の個人情報を閲覧する際、関係者のみに伝えられたIDとパスワードがなければ閲覧できない状態は、機密性が確保されているといえます。

完全性(Integrity)

完全性とは、情報やデータが改ざん・消去されていない状態を確保することです。データの変更履歴を記録したり、データのバックアップを取ったりすることにより、仮にデータが改ざんされたとしても元の状態に復元することができます。

可用性(Availability)

可用性とは、情報やデータへのアクセスを許可されている人が、必要なタイミングで中断されることなく情報を閲覧できる状態を確保することです。例えば、24時間365日、情報やデータを閲覧できる仕組みが構築されている状態は、可用性が確保されているといえます。

情報セキュリティ対策を怠ることで被る不利益

情報セキュリティ対策を怠ったことにより、具体的にどのような不利益を被る恐れがあるのでしょうか。主なリスクとして次の4つが挙げられます。

金銭の損失リスク

情報セキュリティ対策を怠ることで、金銭の損失リスクが発生します。例えば、取引上の機密情報や個人情報を漏洩させてしまった場合、顧客や取引先から損害賠償を請求される可能性があります。

また、企業の銀行口座情報や法人クレジットカード情報を漏洩させてしまった場合、不正利用によって直接的に金銭を損失してしまいます。情報セキュリティ対策は、金銭の損失リスクを抑制する上でも重要な対策といえます。

顧客の喪失リスク

顧客の喪失リスクも、情報セキュリティ対策を怠ることで被る不利益の一つです。情報セキュリティ対策の不足により重要な情報の漏洩・紛失が発生すれば、顧客からの信用を失うことにつながります。一度失われた信用を取り戻すには多大な時間やコストを要することから、顧客喪失リスクを最小限にするためにも、情報セキュリティ対策を講じることが必須といえます。

事業の停止リスク

事業が停止するリスクが発生することも、情報セキュリティ対策不足が招く不利益です。事業の運営に必要な機密情報が漏洩または失われることにより、事業を停止せざるを得ない状況に追い込まれる恐れがあります。事業を停止する期間が長引けば、企業としての存続も危ぶまれます。情報セキュリティ対策は、事業停止のリスクに備えることにおいても重要といえます。

従業員への悪影響

従業員へ悪影響を及ぼすことも、情報セキュリティ対策の不足により起こりうるリスクの一つです。情報セキュリティ対策の不備により重大な事故が発生すると、企業のブランドイメージが悪化します。それにより、社会的な評価が低下した企業に所属することを敬遠し、退職・転職する従業員が現れることも想定されます。さらに、職場の雰囲気が悪くなることで、従業員のモチベーションに悪影響を与えることも考えられます。

経営層に求められる情報セキュリティ対策

ここからは、組織での立場ごとに求められる情報セキュリティ対策について解説します。まず経営層には、どのような情報セキュリティ対策が求められるのか、具体的な対策方法をご紹介していきます。

情報セキュリティ対策の重要性を認識する

情報セキュリティ対策を適切に行うためには、経営層がその重要性を認識することが重要です。自社にはどのような守るべき情報資産があるのか、重要な情報がどのようなリスクにさらされる恐れがあるのかを認識し、情報セキュリティにおける組織全体の基本方針を策定したり、適切な投資判断を行ったりする必要があります。

個人情報取扱事業者としての責務を知る

個人情報保護法第16条第2項では、「個人情報データベース等を事業の用に供している者」を個人情報取扱事業者と定義しています。個人情報取扱事業者は、個人情報の利用目的を特定することや利用目的を通知・公表しなければなりません。

また、個人データを安全に保護し、従業員や委託先を監督することが義務づけられています。これらは、個人情報取扱事業者にとって必ず守らなくてはならない責務です。個人情報取扱事業者の責務をまっとうするためにも、情報セキュリティ対策を適切に行う必要があります。

情報セキュリティ対策の方針と規則を定める

組織全体の情報セキュリティ対策の方針を策定し、規則を定めるには経営層の意思決定が不可欠です。経営層が自ら指揮をとり、情報セキュリティ対策に向けた方針を打ち出していく必要があります。情報管理の担当者任せにしたり、経営層自身が関心を抱かなかったりするようでは、適切な情報セキュリティ対策を講じることはできません。

情報セキュリティマネジメントに取り組む

情報セキュリティマネジメントとは、情報セキュリティの確保に組織的・体系的に取り組むことを指します。組織としての情報セキュリティポリシーの策定や情報セキュリティ教育の実施、事故やトラブル発生時の対応策の決定などに対しても、経営層を筆頭に、組織的・体系的に取り組んでいくことが大切です。

従業員に求められる情報セキュリティ対策

次に、従業員一人ひとりに求められる情報セキュリティ対策について解説します。情報セキュリティ対策を徹底するには、従業員がリスクを理解し、適切な対策を講じていくことが欠かせません。下記の対策を必ず実施するよう、従業員全体へ周知徹底を図ることが重要です。

安全なパスワード管理を徹底する

パスワードには推測されにくい文字列の組み合わせを使用し、複数のシステムやアプリケーション間での使い回しを避けるといった基本的なルールを徹底することが大切です。また、パスワードは定期的に変更するとともに、メモなどに残さず記憶してしまうのもお勧めです。

Webサイトへのアクセスは慎重に行う

Webサイトにアクセスする際には、信頼できるWebサイトであるかどうかを慎重に判断することが大切です。Webサイトの閲覧は、業務に最低限必要なものにとどめることはもちろん、偽装サイトや偽装URLにも注意が必要です。メールなどに記載されたURLをクリックする際には、メールの送信元や件名などに不審な点がないかを必ず確認しましょう。

フィッシング詐欺に注意する

実在する企業やサービス名を名乗るWebサイトであっても、悪意のあるWebサイトが偽装している可能性は否定できません。Webサイト上でID・パスワードやクレジットカードなどの決済情報を入力する際には、正規のWebサイトかどうか慎重に確認し、フィッシング詐欺の被害に遭わないよう注意する必要があります。

ワンクリック詐欺に注意する

Webサイトやメールに記載されたURLを一度クリックしただけで、一方的に契約成立と料金の支払いを要求されるワンクリック詐欺にも注意が必要です。Webサイトを閲覧する際には不用意にクリックせず、不審な点がないかをよく確認しましょう。

また、支払いを要求された場合は慌てて操作を行うのではなく、まず社内の情報管理担当者に報告することが大切です。

ファイル共有サービスは慎重に使用する

複数人でファイル共有ができるクラウドストレージは便利な反面、設定や使い方を誤ると意図しない情報漏洩につながる恐れがあります。従業員が使用する際には、ファイルへのアクセス権限は限られた人だけに設定する、共有リンクには期限を設ける、ファイルにパスワードをかけるなど、情報漏洩などの事故を起こさないよう慎重な対応が必要です。

機器の廃棄時はデータを消去する

PCやUSBメモリなどを廃棄する際には、保存されているデータを確実に消去する必要があります。廃棄する際には専用のソフトウェアを利用するか、機器を初期化することが大切です。

個人情報は慎重に取り扱う

顧客や取引先、従業員の個人情報が記録されたデータは、慎重に取り扱わなければなりません。ファイルにパスワードを設定する・関係者のみアクセス可能な場所に保存するなど、社内で決められたルールを厳守する必要があります。

ウイルス対策を行う

PCにインストールされているウイルス対策ソフトウェアが最新の状態になっているか、確認する習慣を身につけることが、情報セキュリティ対策につながります。情報管理担当者から指示があった際には、すぐにアップデートを実行することも大切です。

情報管理担当者に求められる情報セキュリティ対策

情報管理担当者は情報セキュリティ対策の要となる存在のため、必要な対策を確実に行っていく必要があります。次に挙げる対策について速やかに、そして着実に実行することが重要です。

ソフトウェアを最新の状態に保つ

従業員が使用する全端末について、ソフトウェアが最新の状態に保たれているか常に注視することが、対策の一つです。アップデート情報がベンダーから通知された際には、従業員へ速やかに通達することが肝要です。

また、情報管理担当者が関知していないフリーソフトウェアなどを従業員が使用する、いわゆる「シャドーIT」はリスクの温床となります。無断でソフトウェアをインストールしないよう、周知徹底することが必要です。

テレワーク時の端末利用への対策を行う

テレワークを実施している企業では、テレワーク時の端末利用についてガイドラインを定める必要があります。フリーWi-Fiへの接続や、業務に不要な機密情報・個人情報の端末への保存を禁止し、周知することが大切です。

私物の端末を使用する際には、必ず所定のウイルス対策ソフトウェアをインストールするように指導するなど、ルールの整備が求められます。

外部に持ち出す記憶媒体や機器の利用ルールを周知する

USBメモリやSDカードといった記憶媒体や機器を社外へ持ち出す際のルールを周知することも重要なポイントです。持ち出せる情報は業務に最低限必要な範囲に制限するとともに、情報管理担当者が指定した記憶媒体・機器のみにとどめる必要があります。また、私物の記憶媒体を組織内で使用しないよう、徹底することも大切です。

組織のネットワークを防御する

情報セキュリティ対策は各従業員が使用する端末に施すだけでなく、ネットワークレベルで不正アクセスなどの外部からの侵入を防ぐことが大切です。ファイアウォールの二重化や侵入検知システム(IDS)、侵入防止システム(IPS)を導入するなど、悪意ある第三者の不正な侵入を防ぐ仕組みを整えておく必要があります。

不正アクセスによる被害の認識と対策法を検討する

不正アクセスによってどのような被害が生じる恐れがあるのか、情報管理担当者自身が十分に認識しておくことも重要です。自組織のサーバー内に保存していたデータが外部へ勝手に送信されたり、迷惑メールを送信するための中継地として利用されたりする恐れがあります。また、不正な侵入口となるバックドアを仕掛けられ、外部から自由に侵入できる状態にされる可能性も否定できません。

こうした被害を防ぐには、アクセス権限の適切な設定やWebアプリケーションファイアウォール(WAF)の導入などを検討する必要があります。

標的型攻撃への対策を行う

特定の組織や個人を狙う標的型攻撃への対策を講じておくことも大切です。ウイルスが混入したメールを入口段階で阻止するフィルタリングサービスの導入や、万一ウイルスが侵入した際の状況調査に活用するログの取得、被害の拡大を防ぐためのデータ暗号化といった対策を検討しておく必要があります。

また、標的型攻撃の典型的な手口と被害に遭った際の対応について、日頃から従業員に教育しておくことも重要なポイントです。被害に気づいた際の初動対応をマニュアル化し、訓練を行うなどして周知の徹底を図っておくことをお勧めします。

▼標的型攻撃について詳しくは、こちらの記事をご覧ください
標的型攻撃とは? 攻撃の手口や見抜くコツ、必要な対策について解説

ランサムウェアへの対策を行う

近年、不正アクセスにより組織が保有するデータを暗号化し、復号と引き換えに身代金を要求するランサムウェアの被害が増加しています。ランサムウェアによる攻撃はメールを使用する手口が多く見られることから、不審なメールは開封しない、URLや添付ファイルを不用意に開かないといった対策を従業員に周知することが重要です。

また、不審なメールを遮断するフィルタリングサービスやセキュリティソフトウェアの活用も有効な対策といえます。ランサムウェアによる被害は人ごとではないと認識し、対策を講じておくことが大切です。

▼ランサムウェアについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください
ランサムウェアとは? 攻撃手法や対策、被害発生時の対応を解説

「SKYSEA Client View」で万全の情報セキュリティ対策を

ここまでお伝えしたさまざまなリスクに対して、情報セキュリティ対策を包括的に講じるには、クライアント運用管理ソフトウェア「SKYSEA Client View」を導入することをお勧めします。PCやネットワーク機器、USBデバイスなどを1台ずつ適切に管理できるほか、社内ポリシーに沿って不適切な操作を制限したり、PCの挙動をログとして記録してリスクの早期発見に役立てたりすることができます。

不正アクセスやランサムウェアといったサイバー攻撃についても、組織内のすべてのIT機器を把握し、各種対策を行き渡らせることができるほか、次世代EDR製品との連携によってPCなどエンドポイントのセキュリティ強化を実現できます。

社内の機密情報や個人情報など、企業の資産を外部の脅威から守るためにも、情報セキュリティの強化を「SKYSEA Client View」でぜひ実現してください。

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