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公開日2023.12.15更新日2024.04.25

サイバーセキュリティ対策はなぜ重要? サイバー攻撃とその対策を解説

著者:Sky株式会社

サイバーセキュリティ対策はなぜ重要? サイバー攻撃とその対策を解説

近年、企業などの組織を狙ったサイバー攻撃の被害が増加しつつあります。実際にサイバー攻撃の被害に遭った企業に関する報道を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、企業が対策を講じるべき代表的なサイバー攻撃や、サイバーセキュリティ対策に取り組む際のポイントなど、サイバー攻撃から組織を守るためのサイバーセキュリティ対策について解説します。

サイバーセキュリティとは、データやシステムをサイバー攻撃などの脅威から守ること

サイバーセキュリティとは、外部からのサイバー攻撃により組織の内部情報が外部に漏れたり、データが破壊されたりすることがないよう、必要な対策を講じることをいいます。 ここではまず、サイバーセキュリティの重要性や、組織におけるサイバーセキュリティの位置づけについて解説します。

高度情報化社会におけるサイバーセキュリティの重要性

高度情報化社会を迎えている今、インターネットなどを通じて膨大な情報やデータが手軽にやりとりできるようになった一方で、PCやシステムへの第三者による不正アクセスや、サイバー攻撃といったセキュリティリスクも日常的に叫ばれるようになりました。

実際に企業などの組織では、保有する機密事項や個人情報が盗み出されて身代金を要求されたり、サーバーやシステムが攻撃されたりする犯罪が多発しています。こうした情報通信技術に関するリスクを未然に防ぐことが、サイバーセキュリティ対策を講じる主な目的といえます。企業にとってサイバーセキュリティ対策は、取り組むべき最重要課題の一つとなっています。

サイバーセキュリティは企業や組織の責務

企業などの組織では、営業秘密に関する情報資産や顧客や従業員などの個人情報など、多くの重要情報を保有しています。万が一、これらの重要情報が悪意のある第三者に盗み出され、外部に流出するようなことがあれば、企業としての信頼は大きく損なわれることになります。

サイバーセキュリティ対策を講じることは、自社の情報資産を守るだけでなく、顧客や取引先、従業員の情報を守ることでもあります。サイバーセキュリティ対策に関する取り組みは、企業などの組織にとって重要な責務といえます。

サイバーセキュリティと情報セキュリティの違い

「サイバーセキュリティ」とよく似た言葉として、「情報セキュリティ」が挙げられます。両者はいずれもセキュリティに関する概念ですが、重視するポイントが異なるため注意が必要です。 情報セキュリティとは、デジタル・アナログを問わず、情報の「機密性」「完全性」「可用性」を確保することを指します。これら3つの要素についての脅威から情報資産を保護し、外部からの無許可のアクセスを防ぐことが、情報セキュリティの趣旨です。

一方、サイバーセキュリティは、デジタル化された情報やインフラへの脅威に備えるための対策を指します。情報セキュリティ対策を講じたからといって、外部からの悪意のある攻撃への対策が万全とは限りません。 サイバー攻撃の手口は年々巧妙化しており、新たな手口も次々に現れているのが実情です。こうしたサイバー攻撃を含むデジタル環境全般への脅威を防ぐには、サイバーセキュリティ対策の強化が欠かせません。

サイバーセキュリティで防ぐべき主なサイバー攻撃

サイバー攻撃には非常に多くの手口が存在します。特に多く見られる手口は次のとおりです。

不正アクセス

不正アクセスは、本来はアクセス権限のない第三者が不正な手段で入手したIDやパスワードを使って、サーバーやシステム内に侵入したり、不正にデータを閲覧したり窃取したりすることを指します。多くの文字列をランダムに組み合わせてパスワード解読を試みる「総当たり攻撃」や、あるサービスで不正に入手したパスワードを他サービスで悪用する「パスワードリスト攻撃」などが代表的な手口です。

DDoS攻撃

DDoS攻撃は、不正なデータを大量に送りつけるなどしてサーバーに負荷をかけ、システムを利用できない状態にする手口です。企業などの事業運営を正常に継続できない状態にし、混乱させることが主な目的とされます。

標的型攻撃

標的型攻撃は、特定の組織や個人を標的に、長期間をかけて計画的に侵入を試みた上で、機密事項や個人情報を盗み出す手口です。メールに記載されたURLや添付されたファイルにマルウェアを仕込み、侵入経路を確保する手口が多く見られます。巧妙な手口により、実際には被害に遭っていても、異常に気づかないケースも少なくありません。

▼標的型攻撃について詳しくは、こちらの記事をご覧ください
標的型攻撃とは? 攻撃の手口や見抜くコツ、必要な対策について解説

ばらまき型攻撃

金融機関の口座情報やクレジットカード情報などを詐取することを目的に、偽メールや偽サイトを駆使して不特定多数を対象に攻撃を仕掛けるのがばらまき型攻撃です。実在する企業やサービスに似せたWebサイトを不正に制作しているケースも多く、正規のサービスとの違いが見分けにくいため、ユーザーはクレジットカード情報などを自ら入力してしまう恐れがあります。

最近のサイバー攻撃の事例

サイバー攻撃の中でも、特に「ランサムウェア」に関する被害件数が急増しています。PCやサーバーに保存されていたデータを不正に暗号化し、利用できない状態にした上で、データの復元と引き換えに身代金を要求するのがランサムウェアの主な手口です。 最近では身代金の要求だけでなく、機密事項や個人情報を暴露するといった「二重の脅迫」も見られます。

▼ランサムウェアについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください
ランサムウェアとは? 攻撃手法や対策、被害発生時の対応を解説

ランサムウェア(Emotet)には特に注意

ランサムウェアの一種である「Emotet(エモテット)」による手口も増えています。Emotetは、感染したPCを発信源としてほかのPCに大量のウイルスメールを送りつけたり、情報を窃取したりするのが特徴です。自社のPCがサイバー攻撃の土台にされ、被害が拡大する危険があるため、Emotetには特に注意が必要です。

▼Emotet(エモテット)について詳しくは、こちらの記事をご覧ください
Emotet(エモテット)とは? 攻撃手法や想定される被害、対策を紹介

サイバーセキュリティに必要な3つの対策

サイバーセキュリティに必要な対策としては、「技術的対策」「人的対策」「物理的対策」の3つがあります。それぞれの対策の具体例をご紹介します。

技術的対策

技術的対策とは、ITツールなどのデジタル技術によって、セキュリティレベルを高めることを指します。サイバー攻撃などのセキュリティリスクが発生した際に、すみやかに適切な対処を行い、被害の拡大を防ぐ上で重要な対策です。

<技術的対策の例>

  • 二段階認証の設定
  • アクセス制御システムの導入
  • アクセスログの管理
  • データの暗号化
  • データの定期的なバックアップ
  • ファイアウォールやセキュリティ対策ソフトウェアの導入

人的対策

人的対策とは、IT機器やデータを扱う人のセキュリティ意識を高めることを指します。現場レベルでセキュリティ意識を向上させることにより、技術的対策の実効性を高めることが大切です。

<人的対策の例>

  • サイバーセキュリティに関する研修の実施
  • 不審なメールは開かない、私物の機器や記憶媒体を持ち込まないなど、基本的なルールの徹底
  • サイバー攻撃の被害に遭った場合の初動対応の周知

物理的対策

物理的対策とは、情報を管理・運用しているシステムなどを物理的に安全な場所に設置することを指します。物理的対策は外部からの攻撃に備えるためだけでなく、悪意のある内部の人物が重要なデータに容易に近づけないようにしておく意味でも重要です。

<物理的対策の例>

  • 施錠管理の徹底
  • サーバールームなど重要なデータの保管場所での入退室管理
  • 耐震・防火対策を講じた場所にサーバーやシステムを設置
  • 監視カメラの設置・警備員の配置

サイバーセキュリティ対策で重要な5つのポイント

サイバーセキュリティ対策を進めるに当たって、特に重要な5つのポイントをご紹介します。それぞれ着実に実行して、サイバーセキュリティの有効性を高めておくことが重要です。

OSやソフトウェアの更新で脆弱性対策を行う

OSやソフトウェアを最新の状態にアップデートしておくことは、脆弱性対策の基本です。サイバー攻撃では、PCやシステムの脆弱性が狙われるケースが少なくありません。OSやソフトウェアのアップデートプログラムには、脆弱性対策が施されているケースも多く見られますので、アップデートを遅滞なく行うことで脆弱性が狙われるリスクを最小限に抑えることができます。

ID・パスワード管理を徹底して不正アクセス対策を行う

サイバー攻撃のリスクを回避するには、ID・パスワードの管理を徹底することも重要なポイントです。セキュリティ対策システムなどで第三者の外部からの侵入(アクセス)を防いだとしても、従業員が使用しているID・パスワードが流出すれば、容易に不正アクセスが可能になってしまいます。ID・パスワードの適切な管理を徹底することは、不正アクセス防止の基本といえます。

例えば、パスワードには推測されにくい文字・記号を組み合わせる、定期的にパスワードを変更する、複数のサービス間でパスワードを使い回さないなど、基本的な対策を従業員に周知することが重要です。 また、ID・パスワードの管理を従業員任せにせず、情報管理担当者がルールを定め、ルールどおりに運用されているか定期的にチェックすることも大切です。

ウイルス対策を行う

ウイルス対策ソフトウェアやウイルスの侵入を防止・検知するシステムを導入しておくことも重要です。ウイルスが万が一侵入した際にも、早期に検知できれば被害の拡大を防ぎやすくなります。

ウイルス対策で特に重点的な対策が求められるのが、従業員が業務で使用しているPCなどのエンドポイントです。外部の攻撃者が偽メールやウイルスを埋め込んだファイルなどを従業員のPCに直接送りつけることで、組織のネットワークへの侵入を試みるケースが多く見られます。 組織が貸与している機器はもちろん、無断で持ち込まれた私物の端末などもウイルス感染リスクの発生源となり得ます。組織内に存在するエンドポイントをすべて把握した上で、適切なウイルス対策を講じていくことが必要です。

従業員のセキュリティ意識を向上させる

PCやシステムを業務で利用している従業員のセキュリティ意識の向上を図ることも、重要な対策といえます。従業員がサイバーセキュリティの重要性を十分に理解していなかったり、適切な判断ができなかったりすること自体がリスクになり得るからです。

例えば、メールに添付されている不審なファイルを安易に開いてしまうことや、ID・パスワードをメモした紙を簡単に閲覧できる場所に保管することなどが、ウイルス感染や不正アクセスのリスクになります。 サイバーセキュリティに関するルールの整備やマニュアルの配付にとどまらず、機器を使う全従業員を対象とした研修を定期的に実施するなど、セキュリティ意識の向上を促す取り組みを継続していくことが大切です。

サイバーセキュリティを強化するサービスを利用する

適切なウイルス対策やエンドポイント管理など、サイバーセキュリティを強化するサービスを利用するのも効果的な対策といえます。サイバー攻撃の手口は巧妙化・悪質化しており、従業員が気をつけるだけでは対策が十分とはいえません。サイバーセキュリティを強化するための仕組みを導入し、活用していくことで各種対策を自動化し、従業員の対応漏れなどを防ぐことができます。

「SKYSEA Client View」でサイバーセキュリティ対策を強化

Sky株式会社のクライアント運用管理ソフトウェア「SKYSEA Client View」は、組織内のすべてのIT機器を把握し、管理漏れをなくすために役立つサービスです。組織内のエンドポイントを一元管理できるため、情報管理担当者が把握できていない端末経由でマルウェアに感染するリスクを最小化することができます。

また、OSやソフトウェアの更新プログラムを管理者が一斉配布できるだけでなく、最新の脆弱性情報をタイムリーに取得・確認できることで、すみやかな修正プログラムの適用を実現することも可能です。サイバーセキュリティを強化したい事業者様は、ぜひ「SKYSEA Client View」の導入をご検討ください。

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