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公開日2024.01.19更新日2024.03.04

IT資産管理ソフトとは?重要な理由やメリット、上手な選び方を解説

著者:Sky株式会社

IT資産管理ソフトとは?重要な理由やメリット、上手な選び方を解説

現代のビジネスシーンでは、ハードウェアやソフトウェアはもちろん、ライセンスやアカウントなどの多種多様なIT資産が関わっており、IT資産を適切に管理していく重要性が高まっています。この記事では、IT資産管理を効率的かつ適切に行うための「IT資産管理ソフト」の概要や、導入するメリット・デメリットのほか、IT資産管理ソフトを選ぶポイントもご紹介します。

IT資産管理ソフトとは、IT資産を一元的に管理できるツール

IT資産管理ソフトとは、企業におけるIT資産の保有・利用状況を一元的に管理できるツールのことです。では、IT資産とは何か、なぜIT資産管理を適切に行う必要があるのかについて解説します。

IT資産の

IT資産には、大きく分けて「ハードウェア」「ソフトウェア」「ライセンス」があります。それぞれのIT資産の具体例は次のとおりです。

  • ハードウェア
    ハードウェアには、PCやワークステーション、スマートフォン・タブレット端末といったモバイル端末などが含まれます。このほか、サーバーやネットワーク機器、プリンター・複合機、USBメモリ、SDカードといった記録媒体などもハードウェアの一種です。
  • ソフトウェア
    ソフトウェアとは、PCに搭載されているOSやインストールされている業務用ソフトウェアなどのことです。ほかにも、データベースソフトウェアやセキュリティ対策ソフトウェアなども含まれます。
  • ライセンス
    ソフトウェア製品を利用するために必要なライセンスもIT資産に含まれます。ソフトウェア製品の購入時や契約時にライセンスを購入していることから、1件1件のライセンスはいずれも企業にとっての資産と見なされます。

IT資産管理が重要な理由

IT資産の管理が適切に行われていないと、業務で使用するPCやスマートフォンなどの端末を紛失したり、端末を適切ではない方法で使用したためにマルウェアに感染したりするなど、さまざまなトラブルが発生する原因となります。それにより、機密情報や個人情報が社外に漏洩し、企業としての信頼を損なうことにもなりかねません。

また、ライセンスが適切に管理されていない場合、活用されていないライセンスが放置されるなど、不要なコストが発生する恐れがあります。こうした事態を未然に防ぐためにも、IT資産管理を適切に行うことが重要です。

IT資産管理ソフトの主な機能

企業が管理すべきIT資産は多岐にわたることから、これらを手動や目視で1件1件管理していくのは現実的とはいえません。そのため、IT資産管理ソフトを活用してIT資産管理を正確かつ効率的に行う企業が増えています。下記は、IT資産管理ソフトの主な機能です。

IT資産管理ソフトの主な機能

  • クライアントPC管理
  • 最新の資産情報の自動収集
  • ハードウェアの管理
  • ソフトウェアの管理
  • 周辺機器情報の管理
  • 更新プログラム管理と適用
  • セキュリティ更新プログラム配布
  • デバイス制御
  • 操作ログの取得

IT資産管理ソフトを活用することで、例えば「管理下に置かれていないデバイスがネットワークに接続されていないか」「社内の端末はすべて最新の状態にアップデートされているか」といったことをひと目で確認できます。

IT資産管理ソフト導入のメリット

IT資産管理ソフトを導入することによって、具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。主な6つのメリットについて解説します。

統一的な管理台帳が作成できる

IT資産管理ソフトには、台帳管理機能が備わっています。台帳管理機能とは、自社のIT資産を登録し、記録・管理するための機能のことです。ネットワークを通して各端末の機器情報を自動取得することにより、統一的な管理台帳を作成できます。 端末の種類や製造元、製造番号、OSバージョン、インストールされているソフトウェアやそのバージョンなどの情報(インベントリ情報)がリアルタイムで収集・更新されることにより、抜け漏れなくIT資産を管理できることがIT資産管理ソフトを導入する大きなメリットといえます。

システム管理者の負荷が大幅に軽減する

IT資産管理ソフトは、各ハードウェアやソフトウェアの型番、利用履歴などの情報も自動収集できるため、目視と手作業で1台ずつ確認・入力する負担を軽減できる点がメリットといえます。 また、各デバイスの設定変更やインストールされているソフトウェアのライセンス更新などにも一括で対応できるようになるため、システム管理者の業務効率化につながります。端末のユーザーに1人ずつヒアリングを実施したり、端末を1台ずつ預かって設定したりする必要もなくなり、システム管理者の負荷を大幅に軽減することが可能です。

さまざまな機器を包括的に管理できる

企業内では、PCに限らずスマートフォンやタブレット端末のほか、USBメモリやSDカードなどの記憶媒体も含め、さまざまな機器を管理しなければなりません。 すべての機器についてセキュリティ対策が施されているか、権限の設定が適切に保たれているかを目視や手作業で管理するのは至難の業です。こうしたさまざまな機器の管理を包括的に行い、一元的に管理できることは、IT資産管理ソフトを導入するメリットといえます。

ITコストを抑制できる

IT資産を一元的に管理することにより、端末や機器、ソフトウェアなどの利用状況が明確になります。新たに端末や機器を購入する際には、社内に使用されていないものがないか確認した上で検討したり、ライセンスを契約する際には余っているライセンスがないか見直したりすることも可能です。OSやソフトウェアの更新に対応できない機器を判別することにより、使用できなくなったIT資産を見極めることも可能です。 こうした適切な管理を行うことにより、ITコストの抑制につながることもIT資産管理ソフトを導入するメリットといえます。

セキュリティ対策を強化できる

セキュリティ対策の強化に寄与することも、IT資産管理ソフトを導入するメリットの一つです。例えば、セキュリティ更新プログラムが配布された際には、IT資産管理ソフトですべてのデバイスに一括適用し、組織全体でセキュリティ対策を施すことができます。 また、登録されていない記憶媒体や端末の使用を検知し、アラートを発出するといった対応も可能です。さらに、操作ログ収集により、万一マルウェア感染や不正アクセスといったサイバー攻撃を受けた際にも、発生源となった端末を短時間で特定し、適切な初動対応に役立てることができます。

企業コンプライアンスを強化できる

IT資産管理ソフトの導入によって、社内で使用されているすべての端末やソフトウェアの情報と利用実態を照合して把握することが可能です。 万一ソフトウェアの不正コピーなどライセンス違反となる事象が発生した際には、リアルタイムで異常を検知できます。こうした事象を常に監視・管理可能な体制を構築し、企業コンプライアンスを強化できるのもIT資産管理ソフト導入のメリットといえます。

IT資産管理ソフト導入のデメリット

IT資産管理ソフトの導入には、デメリットといえる面もあります。ここでは、主な3つのデメリットについてご紹介します。

多くの設定やカスタマイズが必要となる

保有しているIT資産は企業ごとに異なるため、IT資産管理ソフトを導入する際には、自社の状況に合わせた設定やカスタマイズが必要になります。使用している機器の登録やアクセス権限の設定などが必要になるほか、自社のセキュリティガイドラインに即した運用が可能になるようにカスタマイズしなくてはなりません。IT資産管理ソフトを契約するだけでは、即座に運用可能な状態になるわけではないため注意が必要です。

導入コストがかかる

IT資産管理ソフトの導入には、初期コストがかかります。ツール本体にかかる費用はもちろん、環境整備やシステム構築にもコストがかかる点を認識しておかなければなりません。中長期的な運用によって得られるメリットと導入コストを照らし合わせ、費用対効果を検討しておくことが重要です。

一般的に、機能が充実しているIT資産管理ソフトのほうが、導入コストも高くなる傾向があります。自社が必要とする機能がそろっているか、不要な機能がいくつも搭載されていないか、費用面が妥当であるかのバランスを考慮することが大切です。 一定期間無料で利用できるトライアル期間があるIT資産管理ソフトであれば、無料期間を活用して機能面を確認することができます。

プライバシーやセキュリティへの注意が必要

IT資産管理ソフトは、自社が保有するあらゆるIT資産を一元的に管理できるツールのため、プライバシーやセキュリティに注意を払うことが求められます。IT資産管理ソフト自体が不正アクセスやウイルス感染の被害に遭ってしまうと、自社のIT資産全体がリスクにさらされる恐れがあるからです。

そのため、IT資産管理ソフトを選ぶ際には、プライバシー保護やセキュリティ対策がしっかりと施されたツールかどうかを十分に確認しておくことが重要です。 また、運用時にはアクセス権限の設定を適切に行い、重要なデータが漏洩することのないよう、注意を払う必要があります。

IT資産管理ソフトを選ぶ上での重要なポイント

IT資産管理ソフトを選ぶ際に、重視しておきたいポイントについて解説します。自社に合ったIT資産管理ソフトを選ぶためにも、次に挙げる5つのポイントを押さえておくことが大切です。

オンプレミス型かクラウド型かを決める

IT資産管理ソフトには、大きく分けてオンプレミス型とクラウド型の2種類があります。オンプレミス型は自社サーバーにインストールして利用するタイプの製品で、自社の用途や目的に合わせてカスタマイズしやすい点が特長です。 一方、クラウド型は低コストで手軽に導入でき、最新機能への対応もスピーディーに行えるという特長があります。カスタマイズの必要性や導入に要するコスト・期間などを考慮した上で、どちらのタイプを導入すべきか判断するのがお勧めです。

自社の課題に応じて、必要な機能を見極める

自社がIT資産管理を適切に行うために必要な課題を明らかにし、IT資産管理ソフトにその課題を解決できる機能が備わっているかを見極めることも重要なポイントの一つです。自社が必要とする機能が備わっているか、備わっていない場合にはオプションで対応可能かどうかといった点を確認しておく必要があります。

例えば、管理すべき端末や機器の種類・台数に対応できるかどうか、自社の利用実態に即した権限設定が可能かどうかなどの要件を、十分確認しておくことが大切です。不明点があればツールの提供企業に問い合わせ、詳細を確認しておくことをお勧めします。

自社のセキュリティポリシーを遵守する

自社のセキュリティポリシーを遵守した運用が可能かどうかも、事前にチェックしておく必要があります。 例えば、閲覧可能なWebサイトに制限を設けていたり、申請されていないUSBメモリなどの記憶媒体の使用を禁止していたりする場合には、自社の運用条件に対応可能な機能をIT資産管理ソフトが備えているかどうか、自社のセキュリティポリシーに適合しているかを確認しておくことが大切です。

幅広いOSの管理を統合して行えるか確認する

IT資産管理ソフトによって、対応しているOSの種類は異なります。特にPCでは、WindowsとMacOS、スマートフォンではAndroidとiOSといったように、異なるOSを複数使用している企業においては、幅広いOSの管理を統合して行えるか確認しておくことが重要です。

IT資産管理ソフトが対応していないOSを搭載した端末を使用している場合、ツールで一元的に管理できない「例外」が生じることになります。こうした例外事項が増えること自体がリスクになり得るため、OSの対応状況も見逃さずにチェックすることが必要です。

効率的に運用管理ができるか確認する

管理すべき端末が多い場合は特に、効率的な運用管理が可能かどうかを確認します。 例えば、セキュリティ更新プログラムなどを配布する際に対象端末を自動判別する機能や、設定変更を一括で行える機能が備わっていると運用管理の効率化につながります。あるいは、複数拠点で使用されている端末・機器を一元的に管理できるかどうかといった点も重要なポイントです。 IT資産管理ソフトは長期にわたって運用していくことになります。そのため、管理者の負担をできるだけ軽減し、効率的に運用できるツールかどうかを重視して選ぶことが大切です。

「SKYSEA Client View」で適切かつ効率的なIT資産管理を実現

Sky株式会社が提供する「SKYSEA Client View」は、日々変動する資産情報を自動収集し、IT資産運用の最適化を支援するIT資産管理ソフトです。クライアントPCやサーバーといったハードウェア情報をはじめ、ソフトウェア情報、プリンター・ルーターといったネットワーク機器情報などを24時間ごとに自動収集するなど、1つの台帳で効率的に一元管理できます。

また、オンプレミス版だけでなく、PC1台から始められる「SKYSEA Client View M1 Cloud Edition」などのクラウド版も選べるほか、他社製品との連携機能も充実しているため、自社の状況に合わせた導入・運用が可能です。 IT資産管理ソフトの導入を検討されている事業者様は、ぜひ「SKYSEA Client View」の導入をご検討ください。