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Sky株式会社

公開日2024.04.19

LCM(IT運用管理)とは? メリットや活用事例を紹介

著者:Sky株式会社

LCM(IT運用管理)とは? メリットや活用事例を紹介

LCMとは、組織のIT運用管理をサポートするアウトソーシングサービスです。業務においてデジタル機器やデータを扱う現代のビジネス環境では、PCやソフトウェアなどのIT資産をどのように管理していくかが重要な経営課題の一つとなっています。そのため、IT資産を適切に管理していくために「LCMサービス」を活用する企業も少なくありません。この記事では、LCMの定義や必要性、サービス選定のポイントについてわかりやすく解説します。IT資産の管理・運用方法について課題を感じている事業者様は、参考にしてはいかがでしょうか。

LCMとはIT資産のライフサイクルをサポートするサービス

LCM(Life Cycle Management)とは、企業のIT資産の選定から廃棄までのライフサイクルを、プロセスごとにサポートするアウトソーシングサービスです。LCMサービスを利用することでIT運用管理における業務負担が軽減され、管理担当者が本来のコア業務に注力できるようになるなど、さまざまなメリットをもたらします。

IT資産におけるライフサイクルとは、IT機器の調達から廃棄までの流れを人の生涯になぞらえた概念のことです。一般的に、IT資産のライフサイクルは次の流れで説明されています。

IT資産のライフサイクル

  • 調達:IT機器の選定(レンタル・リース・買い取りなど)
  • 導入:キッティング(PCのセットアップ作業)・導入設計・導入計画
  • 運用:ヘルプデスク・修理対応・増設
  • 廃棄:撤去・データ消去・下取り・回収

こうした一連のサイクルに伴って発生する業務を、アウトソーシングできるのがLCMサービスです。サービス内容は事業者によってさまざまで、依頼する企業のニーズに合ったサービスを選ぶことが大切です。

LCMの必要性

LCMが必要とされる背景には、主に「デジタル化によるデータ管理の重視」と「IT資産管理の効率化」の2つがあります。それぞれどのようなものか、具体的に紹介します。

デジタル化によるデータ管理の重視

LCMの必要性が高まっている要因の一つは、デジタル化によってデータ管理の重要性が高まっていることです。IT資産管理の対象には、物理的なIT機器だけでなくアプリケーションやデータも含まれます。どの機器でどのようなアプリケーションを利用しているのかを把握し管理しておくことが必要です。

また、端末や機器を廃棄する際にはデータを確実に消去しなければなりません。例えば、PC上の「ごみ箱」を空にしただけの状態で端末を廃棄した場合、専用のツールを使えば容易にデータを復元できてしまいます。PCのハードディスクやSSDに残されたデータが悪意のある第三者の手に渡れば、機密情報や個人情報を窃取されてしまう恐れがあります。こうした情報漏洩が発生すること自体が、企業としての信頼に関わる重大な問題であることから、データの管理が不可欠です。

端末や機器の運用においては、定期的にリプレースの必要が生じるケースも想定されます。リプレースには重要なデータの消失リスクが伴うため、確実にデータをバックアップしておく工程や、バックアップデータが復元されたことを確認する工程が欠かせません。こうしたリプレースのことを想定して運用していくためにも、端末・機器ごとにライフサイクルを踏まえてデータを管理していくことが求められています。

IT資産管理の効率化

IT資産管理の効率化が一層求められていることも、LCMの必要性が増している要因の一つです。近年は業務で使用する端末・機器が1人1台とは限らなくなっています。1人の従業員に対してPCやスマートフォン、タブレットといった複数の端末が割り当てられ、各端末で複数のアプリケーションが活用されるケースは決して珍しくありません。

端末や機器の台数が増えるほど、それらをもれなく適切に管理するための手間が増えます。こうしたIT資産管理に時間や人員を取られていると、事業を成長させるために不可欠なコア業務に集中できなくなってしまう可能性も十分にあります。IT資産管理に必要な工数が増加の一途をたどっている以上、いかに効率良くIT資産を管理するかが大切です。

LCMサービスのメリット

LCMサービスを活用し、IT運用管理をアウトソースすることで具体的にどのようなメリットを得られるのでしょうか。主な3つのメリットについて解説します。

コア業務に集中できる

IT運用管理を外部委託することで、従業員がコア業務に集中しやすくなるというメリットがあります。IT運用管理には専門的な知見やノウハウが必要です。また、管理すべき対象も急速に増加しており、担当者に一定の負荷がかかるのは避けられません。機械である以上、不具合や故障が発生することは十分に想定されます。そのため、使用するすべてのIT機器に対して故障対応やヘルプデスクの役割を担うと、IT運用管理の担当者のコア業務が行えない可能性も否めません。

LCMサービスを活用して一連の運用管理をアウトソーシングすれば、人的・時間的余裕を創出でき、そのリソースをコア業務に集中させやすくなります。

コストの削減につながる

LCMサービスの活用によって、コスト削減効果が得られることも大きなメリットの一つです。すでにIT運用管理に関する専門的な知見やノウハウを保有している事業者へ委託することにより、社内でトライ&エラーを繰り返しながらIT運用管理のノウハウを確立する工程を省略できます。社内に設置する情報システム部門の規模も最小限に抑えられるため、人員や労務時間の削減が可能です。

また、長期的な視点で捉えた場合、人材育成のコストを削減する効果も期待できます。テクノロジーは短いスパンで大きく進歩するケースも少なくありません。IT運用管理を適切に行うには、常に最新の知見や情報を取り入れ、知識やスキルをアップデートしていくことが必要です。社内でこうした人材を育成し、エキスパートへと育て上げていくためには、多くの時間とコストがかかります。LCMサービスを活用することにより、こうしたコストを抑えることが可能です。

セキュリティ強化につながる

IT運用管理を専門家に委ねることで、セキュリティ強化につながるというメリットもあります。データの消去が不完全な状態で端末を廃棄してしまうケースがあるように、自社でIT資産を管理した場合には何らかの抜け漏れが生じるリスクを完全に排除するのは困難です。

LCMサービスを活用すれば、データを完全に消去するための適切な処理方法を選択してもらえます。専門的な知見を持つ事業者に委託することでセキュリティリスクを回避できることは、LCMサービスに依頼するメリットの一つといえます。

LCMサービスの選定ポイント

LCMサービスを選定する際には、どのようなことに注意して選定すればよいのでしょうか。特に重要度の高い4つのポイントについて解説します。

サービス内容

LCMサービスを選定する際に注意したいのは「サービス内容」です。LCMサービスには、運用に注力している事業者もあれば、情報管理に注力している事業者も見られます。自社が必要とするサービスが利用できるか、事前に確認しておくことが大切です。

LCMサービス選定時のチェック項目

  • 調達関連:対応可能な機器は何か、買い取り・レンタル・リースなど多様な提供方法が用意されているか
  • 導入関連:初期設定の対応範囲、マスターイメージの作成や対応する予備機器の準備・保管が可能か
  • 運用関連:操作方法や不具合発生時の問い合わせ対応が可能か、サポート手段は適切か
  • 廃棄関連:データの消去や端末の下取りに対応しているか、データ消去方法が明示されているか

また、LCMサービス事業者ごとに、対応可能なIT機器が異なることがあります。特定のメーカーの製品を得意とする事業者や、幅広くさまざまなメーカーの製品に対応可能な事業者があるので注意が必要です。自社で使用している機器を洗い出すとともに、今後導入する予定の機器も含めてリストアップした上で、各端末・機器に対応可能な事業者を選びます。

セキュリティレベルの高さ

セキュリティレベルや対策方法についても、複数のLCMサービス事業者を比較検討することが大切です。例えば、管理者が把握していない端末・機器がネットワークに接続された際に検知できるかどうかや、USBメモリなどの記憶メディアに関しても管理対象となっているかどうかの確認も欠かせません。

近年はサイバー攻撃の手口が複雑化・巧妙化しています。マルウェアも次々と新しいタイプのものが生み出されていくため、既知のマルウェアしか検知できない仕組みでは、心もとないといわざるを得ません。不審な挙動を検知する「振る舞い検知」などの機能が搭載されていれば、パターンファイルにはない未知のマルウェアについても検出可能です。このように、セキュリティレベルを高めるためにどのような機能や仕組みを提供しているのかを、詳細に確認しておく必要があります。

サポート範囲やサポート体制

LCMサービス事業者のサポート範囲やサポート体制を十分に確認しておくことも重要です。対応可能な範囲が限られている場合、調達から導入・運用までのサポートは得られても、廃棄については別の事業者へ委託しなければならないといった事態が起こり得ます。自社で必要なサポート範囲を確認し、1つの事業者で完結することが大切です。

また、端末・機器の故障や不具合をはじめとするトラブルが発生した際、どのようなサポートが受けられるのかも確認しておくことをお勧めします。対応可能な曜日・時間帯や、具体的なサポート手段をチェックし、自社の営業日・営業時間にサポート対応が可能な事業者を選ぶのが理想です。サポート手段に関しても、メールや電話のみのサポートとなるのか、必要に応じて現地に赴いてもらえるのかといった点を確認しておきます。

品質・信頼性

サービスの品質や信頼性の面からLCMサービス事業者を選定することも重要です。IT運用管理に精通したスペシャリストが在籍しているのか、導入企業数や実績は十分なのかといった点を確認します。企業規模や端末・機器数に応じた柔軟な対応の可否についても重視することが大切です。

LCMサービス事業者によっては、大規模事業者向けのサービスを想定しているケースがあります。自社の事業規模に応じて、中小企業や小規模事業者にも対応可能かを確認しておくことが必要です。Webサイトなどで確認できない場合には、過去に自社と同じような従業員数や端末・機器台数の企業において導入事例があるかを確認しておくと安心です。

IT資産の管理なら「SKYSEA Client View」におまかせ

IT資産を適切に管理していくには、それぞれの端末・機器のライフサイクルを踏まえた対応が求められます。特に運用に関しては、日常的に業務で使用するIT機器をもれなく管理していかなくてはなりません。現実的な手間やコストを踏まえると、IT資産管理を支援するシステムを導入するのが得策といえます。

IT資産の管理を強化したい事業者様には、クライアント運用管理ソフトウェア「SKYSEA Client View」の導入をお勧めします。「SKYSEA Client View」は、日々更新される資産情報を自動収集し、IT運用管理の最適化を支援するツールです。

具体的には、クライアントPCやサーバーのハードウェア情報、ソフトウェア情報、プリンター、ルーターなどのネットワーク機器に関する情報を24時間ごとに自動収集し、1つの台帳で管理できます。また、組織内のすべての端末・機器についてウイルス対策ソフトウェアのインストール状況や、OS・アプリケーションのアップデート状況などの一元管理も可能です。組織内のIT資産や活用状況の把握がリアルタイムで確認できるため、IT資産の最適な管理・運用に寄与します。

IT資産の管理を適切に行いたい事業者様は、「SKYSEA Client View」の活用を検討されてはいかがでしょうか。

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