左から、総務部デジタル推進課 デジタル推進係 係長:上野 貴士 様、政策経営部 DX等推進担当課長:藤本 貴史 様、総務部デジタル推進課 デジタル推進係:小槫 正樹 様
東京都東大和市は、面積が約13㎢で、都心部まで電車で通勤・通学できる圏内にあり、コンパクトで利便性の高いまちです。市の北側には、市域の約4分の1を占める多摩湖があり、その周辺の狭山丘陵には緑が豊富で、東京都にありながら自然環境に恵まれた市です。多摩湖周辺には、サイクリングロードが整備されており、自転車やランニングなどを楽しむ人の姿を多く見かけます。
自治体のネットワークは、セキュリティ対策の強化を目的として3層に分離されています。当市が運用していた「αモデル」では、高度なセキュリティを維持するため、通常業務に利用しているLGWAN接続系でインターネットを使うことができません。そのため普段使用しているPCでは、外部から転送されたファイルの受け取りや情報の検索も対応できず、3層分離前に比べて業務効率の低下が課題でした。このままでは住民の皆さまのサービス提供への影響が懸念されたため、セキュリティを確保した状態でLGWAN接続系からインターネット環境への接続が可能になる方法を模索したところ、いくつかの解決策が見つかります。その中の一つが、IT資産管理の効率化を目的に導入し、すでに運用していた「SKYSEA Client View」のオプション機能「ブラウザ環境分離」です。プロポーザルの結果、新たな環境を構築するよりも、予算と作業工数を抑えられる点が決め手となって「ブラウザ環境分離」の導入が決まりました。
「ブラウザ環境分離」の導入で、LGWAN接続系端末からインターネットが利用できる環境を取り戻せたことで、職員からは業務効率が改善されたという声が届いています。以前は、メールの送信やファイルを移動するだけでも2~3分はかかったり、各課に1台のインターネット端末を使用するためには順番待ちが必要なこともありました。しかも、いざ自分の番になるとほかの業務で手が離せず、再度並ぶような場面が散見されたことも。
多くの職員が通常の業務で利用するLGWAN接続系端末から、インターネット環境が使えるようになるといっても、セキュリティが強化された論理分離環境での利用です。以前とはやや異なり戸惑う職員もいるかもしれないことが気がかりでした。しかし、実際には想定していたほどの問い合わせはなく、順調に稼働しています。
外部から届いたファイルは安全性が不明です。ダウンロードしたことでマルウェアに感染してしまう可能性もあるため、注意を払う必要があります。しかし、職員が毎回能動的に対応することは現実的ではなく、受動的に実行できる仕組みが必要でした。「ブラウザ環境分離」は、メールの添付ファイルなど論理分離環境でファイルをダウンロードすると、無害化※1を開始するメッセージが表示されます。職員が意識することなく、安全に保存・コピーできるので安心です。また、「ブラウザ環境分離」でサポートしていない特殊なファイル形式の場合は、「申請・承認ワークフローシステム」を活用することで解決できます。LGWAN接続系端末で安心してインターネットを利用するために、「SKYSEA Client View」は欠かせない存在です。
操作のわかりやすさも職員の異動が避けられない自治体には必須です。日常的に活用し、なくてはならない「リモート操作」をはじめ、このメニューをクリックしたら次はここを選ぶということが直感的にわかるので、私どもも操作説明なしに活用できています。当初の導入目的であったIT資産管理も、毎日情報が収集されるため、最新情報を簡単に把握できるようになりました。そのほかにも、USBデバイスの制御などいくつかの機能を活用していますが、まだまだ「SKYSEA Client View」を使いこなせているとは言えません。今後は、レポート機能なども活用して、IT資産の有効活用に生かしていきたいと考えています。
2025年1月取材
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