教育・研究機関
三島市様では、市内小中学校21校に735台の校務用PCを整備されています。教育委員会から各学校のICT環境を集中管理できる環境づくりを目指され、光通信回線で教育委員会と各学校を接続。校務用PCの集中管理を目的に、クライアント運用管理ソフトウェア『SKYSEA Client View』を導入され、情報セキュリティ対策の強化とともに、リモート操作によるPCトラブル対応の迅速化・効率化や保守費用の削減に役立てられています。
当市では現在、市内の小学校14校、中学校7校の計21校に合計735台の校務用PCを整備し、教育委員会から各学校のICT環境を集中管理できる環境づくりをめざしています。
校務用PCは、学校内外で先生同士の情報共有の円滑化と校務の効率化のために教職員1人1台を整備しました。その後、ほぼすべての学校に光通信回線を整備し、校務用ネットワークを無線LANで構築することで、教育委員会からの集中管理が可能な環境を整えています。また、こうした環境を生かせるよう、授業支援ソフトウェアや校務システム、グループウェアなどは教育委員会内のセンターサーバーで運用しています。
あわせて、PC自体の運用管理も私どもで集中的に行えるよう、全校務用PCに「SKYSEA Client View」を導入し、教育委員会からの一元管理を実現しています。
以前から、資産管理ツールは導入していましたが、レポート機能が不十分だったため統計資料をまとめるのに不便さを感じていました。そこで、情報セキュリティ対策を強化しつつ、当市が求める「運用管理の一元化」と「保守費用の削減」が可能なツールを探し、活用したいと考えていた「レポート」機能が充実していた『SKYSEA Client View』を採用。導入後は教育委員会で市内の校務用PCを集中管理でき、運用保守にかかる費用も抑えられるようになりました。
「レポート」機能では、主に「ログ解析レポート」を活用しています。校務用PCやアプリケーションの利用状況など、各校のICT活用度を視覚的に把握するのに役立っています。例えば、教育用のソフトウェアなどがあまり活用されていなければ学校に伺ったり、業者と連携したりすることで活用を支援するように取り組んでいます。
また「ユーザー別 / 部署別作業時間解析」を活用して、教職員の勤務実態の把握にも取り組んでいます。多岐にわたる校務をされる先生方は、どうしても勤務時間が長くなりがちです。労働基準法で定められた残業時間を順守するように呼びかけるだけでは、十分な効果が期待できません。そもそも、タイムカードや勤務表などは月締めで集計するため、負荷が高い先生がいたとしても、翌月にならないと状況がつかめないため、適宜支援するといった対応ができません。そこで、定期的に作業時間解析レポートを出力して、労務管理の副次的な資料として各学校に配付しています。この資料は、校長が先生方の勤務実態を確認したり、支援したりするための、きっかけの一つとして役立ててもらうようにしています。
また今後は、現在整備を進めている電子黒板などのICT機器の活用状況を把握するためにも、レポート機能を活用していきたいと考えています。
教育委員会と各小中学校の距離が離れているため、自席の管理機から先生方のPCを確認したり遠隔操作したりできる「リモート操作」機能が大変重宝しています。「PCの調子が悪い」「操作がわからない」といった問い合わせなら、現地に訪問しなくても迅速に対応できるようになりました。実際の画面を確認できるので状況が把握しやすく、対応時間が大幅に短縮されたことで、先生方にも喜んでいただいており、教育委員会としても大変満足しています。
また、先生方のアカウントにはインストール権限を付与していないため、以前は「個別に用意した教育用ソフトウェアをインストールしたい」といった要望があった場合に、学校に訪問して作業を行っていました。現在はリモート操作を利用して、インストール作業やソフトウェアの操作方法のレクチャーなどに対応しています。リモート操作は今後も幅広い場面で活用できると感じています。
情報セキュリティ対策としては、運用ルールを明確化し、情報漏洩やウイルス感染のリスクがある操作を制限するといった対策を行っています。しかし、私物のICT機器などが持ち込まれてしまうと、これらの制限も意味をなしません。当市では校務用PCや機器をすべて固定IP化し、許可していないPCやタブレット端末などがネットワークされた場合に検知できる「不許可端末検知」機能を使って、無断使用がないかを確認しています。
将来的には教員用のタブレット端末1台で、出席簿の入力から教材作成、授業での活用まで実現したいと考えています。しかし、校務用と教育用のネットワークの両方に接続すると、セキュリティ上の課題もあります。今後は、より安全な運用方法を検討したいと思います。
2015年3月取材
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