
SAMの基礎となる管理規定・体制の構築、資産情報の収集・調査(基本台帳の作成)の完了後、いよいよ本格的にSAMの運用をスタートさせることができます。
①ソフトウェアの導入検討
SAMのソフトウェアライフサイクルは、まずソフトウェアの導入検討から始まります。必要なソフトウェア(ライセンス)を選定し、SAMの構築時に策定した管理規定(ポリシー)に基づいて、そのソフトウェア(ライセンス)を購入するリスク、コストなどを判断材料として、購入するか否かを決定します。
②運用・保守
購入したソフトウェアを各クライアントPCに配布、インストールしていきます。同時に、SAMの基本台帳に、ソフトウェアとライセンス情報を登録します。どのPCに、どのソフトウェアをインストールし、どのライセンスを割り当てたのかを詳細に記録しておきます。また、ライセンス証書やインストールメディアの保存場所についても、しっかりと記録しておく必要があります。この登録作業は、購入するソフトウェア(ライセンス)が多ければ多いほど手間がかかるため、通常、管理ツールを導入して行います。
③棚卸
SAMの管理規定に基づいた方法で、定期的にIT資産の棚卸を行います。棚卸は、SAMの基本台帳と、実際のIT資産とを照合していくことで実施します。棚卸を通して、PCやソフトウェアライセンスの余剰が発見された場合には、必要とする部署へ譲渡するなどして、資産の有効活用に役立てることも可能です。
④廃棄
SAMのソフトウェアライフサイクルの最終段階として、棚卸によって不要と判断したIT資産を適切に廃棄します(レンタルの場合は返却)。PCであれば廃棄前に、個人情報や機密情報が漏洩しないように確実にハードディスク内のデータを消去することが求められます。また、ソフトウェアを廃棄する場合は、不要となったPCから確実にアンインストールする必要があります。ソフトウェアのアンインストールをそれぞれのPC上で行うのは手間になりますので、管理ツールを利用して、一括でアンインストールできる機能を活用するのも、一つの手です。また、これら廃棄が発生した場合は、SAMの基本台帳からも資産情報を確実に削除する必要があります。