ソフトウェアライセンスを正確に管理するためには、定期的に情報を更新して、使用実態を把握することが重要です。つまり、ライセンスの追加購入やクライアントPCの移動・廃棄などで使用状況が変化した場合でも、的確に実態を把握できる仕組みをつくることがライセンス管理の基本となります。
また、情報を収集するだけではなく、保有するライセンス数と実際に使用しているライセンスの数を突き合わせることで、「不適切な利用がないか」、「余剰ライセンスがないか」が確認できてはじめて、適正にライセンス管理されている状態だと言えます。
保有ライセンスと使用状況を把握して管理することがライセンス管理の基本なのですが、実際にはライセンス管理を難しくする、さまざまな要因があります。
例えば、ソフトウェアの購入やクライアントPCの移動などは、現場の実情にあわせて各部署の判断で行われることも多く、情報管理部門による一元的なライセンス管理を実施しにくい環境があると言われています。 一定以上の規模の組織において、組織内のすべてのソフトウェアライセンスの保有数や使用状況などを、手作業で更新しながらライセンス管理することは、効率性と正確性の両面からも現実的ではなく、現場に一任せざるを得ない状況もあります。
また本来は、保有するライセンスの「数」を管理することに加えて、その保有ライセンスの正当性を証明する「ライセンス証書」なども適切に保管・管理されていなければ、ライセンス管理が行き届いているとは言えません。
さらに、ソフトウェアのライセンスは購入時の条件によって、使用期限が定められているものや、下位バージョンにダウングレードして使用することを許可しているものなど、さまざまな形態が存在します。 また、パッケージ販売のソフトウェアなのか、複数台への導入を認めたボリュームライセンスなのか、といった諸条件によりライセンス管理の方法が変わる場合もあり、さらに複雑さを増しています。