ソフトウェア資産管理(SAM)を導入した場合、どのような流れで運用・管理をしていくことになるのでしょうか。以下の図は、SAMの運用の流れを示したものです。
SAMにおいては、まず運用の基礎となる「ソフトウェア資産管理の構築」が行われます。ここでは、IT資産を管理する上での管理規定(ポリシー)の策定、管理対象とするソフトウェアの範囲の特定、SAMを行う責任者や組織などの体制構築、資産情報の収集と調査が行われます。
管理規定の策定 | 組織のソフトウェアのライフサイクルに沿った管理手順や、購入したソフトウェア、ライセンス証書などの保管方法などのSAM運用についてのガイドラインを策定します。策定時は、目的に合わせた管理水準を維持できるような制度設計も行います。 |
管理対象範囲の特定 | SAMの管理対象とするソフトウェアの範囲を特定します。有償のソフトウェアだけでなく、フリーソフトウェアやオープンソースなどの無償ソフトウェアも著作権により保護される著作物のため、管理する必要があります。ただ、フリーソフトウェアやオープンソフトウェアは、使用許諾条件を確認し、利用がそれに沿ったものであれば、保有ライセンス数と使用数は比較する必要はないなど、ソフトウェアを管理する場合でもその内容には違いがあるため、それらを考慮し、SAMにおける管理対象と管理内容を決めていく必要があります。 |
管理体制の構築 | SAMの管理責任者、部門責任者、要員などの役割と責任を規定し、段階的な運用を行います。組織によって、集中管理、分散管理などの体制も規定します。 |
情報収集・調査 | 組織に存在する資産を把握するために、資産情報の収集、調査を行います。SAMには欠かせないハードウェア、ソフトウェア、ライセンスに関する基本台帳を準備した上で、実際の調査を行います。 |
SAMの構築が完了して初めて、ソフトウェアは図のようなライフサイクル(「ソフトウェア導入」→「運用・保守」→「棚卸」→「廃棄」)で管理され、運用は継続されていくことになります。